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平成 8年 3月定例会(第6号 3月15日)

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  1. 田辺市議会 1996-03-15
    平成 8年 3月定例会(第6号 3月15日)


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    平成 8年 3月定例会(第6号 3月15日)              田辺市議会3月定例会会議録              平成8年3月15日(金曜日)             ――――――――――――――――   平成8年3月15日(金)午前10時開議  第 1 一般質問            ―――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1            ―――――――――――――――― 〇議員定数 22名 〇欠  員  1名            ―――――――――――――――― 〇出席議員            議席番号   氏   名               1番 田 中 康 雄 君               2番 芝 峰   進 君               3番 生 駒 浄 光 君               4番 山 本 紳 次 君               5番 初 山 丈 夫 君
                  6番 山 口   進 君               7番 宮 田 政 敏 君               9番 松 本 定 市 君              10番 十 河 一 正 君              12番 八 山 祐 三 君              13番 森   哲 男 君              14番 青 木 伸 夫 君              15番 稲 沢 勝 男 君              16番 黒 田 庫 司 君              17番 熊 野 芳 和 君              18番 行 森 素 治 君              19番 尾 前 陽 三 君              20番 広 沢 得 次 君              21番 篠 崎 憲 司 君              22番 佐 武 克 彦 君            ―――――――――――――――― 〇欠席議員             11番 大 倉 勝 行 君            ―――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名        氏     名             市    長      脇 中   孝 君             助    役      田 中 二 郎 君             収入役         山 崎 英 一 君             教育長         角   莊 三 君             水道事業管理者     谷 中 義 夫 君             企画部長        柴 田   修 君             企画調整課長      衣 田 秀 雄 君             総務部長        楠 本   薫 君             総務課参事       梅 原 孝 夫 君             税務課長        田 中   憲 君             市民部長        辻 本   宏 君             生活環境課長      山 本   守 君             清掃事業所長      上 地 新 二 君             保健福祉部長      山 本 邦 弘 君             福祉課参事       栗 山   廣 君             やすらぎ対策課長    志 波 宏 三 君             経済部長        室 井 修 一 君             農林水産部長      田 中 秀 章 君             農政課長        溝 口 博 一 君             水産課参事       坂 上 克 己 君             建設部長        桝 本 靖 男 君             土木課参事       稲 崎 敏 夫 君             公共下水道準備室長   堀   義 雄 君             消防長         弘 末   勉 君             教育総務部長      清 水 節 雄 君             理    事      八 百 耕 貮 君             学校教育課長      嵯 峨   勇 君             生涯学習部長      砂 野 啓 三 君             選挙管理委員会事務局長 木 村 一 美 君             農業委員会事務局長   酒 井   清 君             理    事      日 尾 耕二郎 君            ―――――――――――――――― 〇出席事務局職員             局    長      橘     勲             次    長      寺 本 千 秋             主    任      福 井 量 規             主    査      千 品 繁 俊 開 議 ○議長(熊野芳和君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成8年第1回田辺市議会定例会第6日目の会議を開きます。               (午前10時03分)            ―――――――――――――――― ◎報 告 ○議長(熊野芳和君)    11番 大倉勝行君から欠席、15番 稲沢勝男君、16番 黒田庫司君から遅刻の届出がありますので報告いたします。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(熊野芳和君)    それでは、日程に入ります。  日程第1 一般質問を行います。  19番 尾前陽三君の登壇を許可します。             (19番 尾前陽三君 登壇) ○19番(尾前陽三君)    六日目のトップバッターということで、19番、新政クラブの尾前でございます。通告をいたしました順序に従いまして、質問をさせていただきます。昨日の同じ会派の初山丈夫議員の質問を拝聴いたしましたけれども、きちっと原稿をつくられて質問されている。そういうふうな中から、やはり原稿をきちっと書いてやらなければならないなというふうに思ったわけでございますが、今回は、それもできませんで、だんだん何か怠けてるんじゃないかと、自分に言い聞かせているところでございます。  一番目の薬害エイズ問題や住専の不良債権処理など、私たち市民には理解しがたいことが、新聞紙上に毎日のように掲載されているが、市長はどのような感想を持たれているか、こういうことでございます。本当に毎日のようにラジオのニュースを聞きましても、新聞紙上でも薬害エイズと、そして住専の問題は報道されているわけでございます。「薬害エイズ」、「ミドリ十字」はとくに現在、言われてるわけでございますけれども、私もミドリ十字というのを約三十年ぐらい前に、その社名を記憶したことがございます。ただ、その当時は、武田薬品であるとか、あるいはシオノギ製薬とか、第一製薬、三共、田辺、そのように大きな製薬会社がたくさんありまして、その中で、いわばミドリ十字は二流か、あるいは三流か、そういうような会社だったというふうに記憶をしているわけでございます。とくに、そういう会社の名前を知るということは、私も株式投資とか、そういうことを少しやりますので、その当時、医薬関係に勤めておりました兄が、ミドリ十字という会社の株を購入したということで、そのときにミドリ十字という会社があるんだなというふうに知ったわけでございます。  やはり、そういう二流、三流の会社が、そういう大手の中に、間隙を縫いながら入っていく、そのためには、いろんな方法があったというふうに思うわけでございます。そういう点で、いわゆる厚生省の薬務局、そういうところとどうつながりをつけるか、こういうようなことであったのかなというふうにも思うわけでございます。このエイズの問題だけではなしに、過去にも厚生省の薬務局の課長さんが、自分でその薬を服用しておりまして、「副作用がある」という、そういう情報を知って、自分は服用を中止をいたしましたけれども、それは公に中止がされるまでに一年数か月を要した。その間に、女子高校生が失明に追いやられると、こういうようなことを読んだことがございます。そのときも、いわゆる厚生省は、人民のと言いますか、国民の健康を増進する、そういうような役割を持ちながら、それはもう「厚生省薬務局ではなしに、通産省薬務局だ」と、そのように言われたことを記憶をしているわけでございます。そのように、とにかくもうけというものが、最優先にされる、そういうような風潮があったのではないかと、このように思うわけでございます。  ミドリ十字は、血液を扱うということで、特異な状態があったというふうに思うわけでございます。大変人間の健康には血液、そういうものは大切ですし、血友病には、有効な、そういう治療として輸血というものが活用された。そういう中で、業績も伸ばしてこられたというふうに思うわけですけれども、やはりこういうような土壌というものは、ただ製薬会社だけではなしに、いろいろと会社が一つの枠を破って大きくなっていく、市場の占有率を高めていくというような、その中には、例えば、私は電電公社でございましたけれども、電電公社の中でも、「電電ファミリー」というふうに言われておりまして、そういう電電公社の受注を引き受ける、そういう会社が組織をされていたわけでございます。  私は、これも自分で株式をさわった関係ですけれども、田村電機製作所という、そういうような会社の株を持ったことがございます。そして、社長が亡くなられて、本当に大変長い間、社長のポストが空席になっておりました。それは、なぜかと言いますと、そこに電電公社からの社長のポストに天下ってくれる方を予定しておった、こういうことでございます。それは、その当時は、遠藤正介さんという方で、狐狸庵先生、遠藤周作さんのお兄さん、電電公社の筆頭理事をされてる方でございましたが、その方を社長のポストをあけたままで、大変長い間待たれた、こういうようなことも記憶をしてるわけでございます。もう着任されるという寸前に、急逝をされまして、それはならなかったわけでございますけれども、それと関係があったかどうかわかりませんけれども、電電公社の電話機は協業五社で、生産をしておったわけでございますが、協業七社ということで、その二社を追加した一社に、田村電機製作所が入っておった、こういうようなこともございました。いろんな形でつながりを持ちながら、会社が大きくなっていくというんですか、仕事量を確保していくと言いましょうか、そういうことがいろんな分野で行われていたんだなというふうに思うわけでございます。  とくに、不良債権処理の問題でありましても、大蔵官僚の天下りという形の中で、本当は指摘をしなければならない、そういう問題が、かえって逆な方向に作用して、損失を大きく膨らませていった、このようなことも考えられるわけでございます。私は、そういうふうな薬害エイズの問題や、あるいは不良債権の問題が、新聞紙上に掲載をされるのを見ながら、やはり私たち国民がいちばん大切なことは、国のひとつの施策に対しても信頼ができる、こういうことがいちばん大切なことではないかな、まさかのときに、とにかく国の方から「このようにやりたい」、こういったときに、本当に私たちが協力をしてすることができるかどうか、今回のそういう不良債権の処理の問題にいたしましても、やはり不信という問題が、なお私たちに大きく残っておったジャパンプレミアムの問題もございまして、やはり海外で活動される企業にとりましては、金利の上乗せをされるというようなことは、大変なことだと思いますけれども、そういうような問題も起こりましても、やはり私たちは、心底100パーセント、国を信頼して、そのようにやったらよい、こういうことにはならなかった、このように思うわけでございます。  そういう点で、私はこういうようないろんな問題から、市長がどのようなお考えをお持ちになっておられるか。また、市長は、いろいろと市民と膝を突き合わせながら、市民のみなさんの声を率直に受け止めようというふうにされておりますけれども、そういう点で、どのような市行政を築いていかれようという決意を持たれておるか、そのようなことをお聞きをしたい、このように思っているわけでございます。  二番目の太陽光発電所全国大会に参加して、田辺市をPRする方法はないものかと考えているということでございます。第三回全国太陽光発電所所長会というのが、大阪で開かれまして、大阪ということでもありましたので、近くでもございますので、参加をさせていただきました。1月25日でございましたけれども、参加をさせていただいたわけでございます。その会場でのいろんな太陽光発電所を設置をされた所長さんの方がたの、そういうスライドの発表等もあったわけでございますけれども、総括の話の中で、とにかく日照時間の長い、いわゆる太平洋側と言いますとか、そういうような本当にそれが有効に活用される、そういう地域の設置が大変少ないということを聞かされたわけでございます。私は、「田辺もやってますよ」ということを言いたかったわけでございますが、そういう機会も与えられておりませんでしたので、何とか「田辺もやっている」と、そういう設置の少ないと言われている、日照時間の長い地域でも「やってますよ」ということを発信をしていただきたいなと、このように考えて、そういうことからインターネットに乗せることはどうか、このように質問をさせていただいたわけでございます。  ただ、私はNTTをやめましたのも、パソコンを自分で自由に操れないということで、それが一つの原因でもあったわけでございます。とにかく今は、自分で品物を販売してきましても、すべて工事から、製品の請求から、オーダーの発送を自分でやらなくてはならない、そういうようなことになっておりまして、なかなか私は、そういうメディアに弱い人間でございますので、そういう点で、大変それが苦になったのも、退職の一つの原因であったと、このように思うわけでございます。ですから、このインターネットと言いましても、たくさん新聞紙上でも「インターネット」、「インターネットホームページ」ということは、たくさん聞くわけでございますけれども、現実的にはどういうものであるかということも、まだわからないわけでございます。ただ、パソコン通信であるとか、CD−ROMとか、いろいろなそういう言葉は聞いて、ある程度こういうことだなということはわかるわけでございますけれども、そういう点で、事務局長、この太陽光発電所大会事務局長の発言の中でも、太陽光発電ということをネットワークでつないで、そしてインターネットに乗せて、世界に発信をしたいなと。しかし、インターネットに乗せるためには、英語で何なにを処理をしなくてはならないというようなことで、なかなかそれは事務局の方でもできないので、ボランティアでやっていただけるところはないかというようなこともございましたので、そういうことも併せながら、どのようなお手伝いができるのか、できないのか、そういうようなことも併せて、もし田辺市が何かのそういう太陽光発電のデータを発信をする、そういうようなことになったときに、どのような分野まで、それに参画をしていけるのかどうか、そういうようなこともお聞かせをいただきたいな、このように思ったところでございます。  ちょうどその大会も、最後の方でしたけれども、フジテレビの方が私の方に来られまして、「大変熱心にメモをされておりましたね」というふうにと、来られたんですけれども、とにかく平仮名が多いやつをメモをしておりましたので、それを隠すのに汗をかきまして、「和歌山県の田辺市である」という、それだけしか言えなかったように思うんですけれども、とにかく何とかして、こういうすばらしい環境に恵まれた田辺市、歴史と文化の田辺市という、そういうような田辺市をPRする一つの方法としてどうかと。けさもちょっとNHKの7時のニュースの後で聞いておりましたら、これは風力発電の関係ですけれども、なぜか強風の吹くようなところばかり集まって、平成6年に、「風サミット」というのが開かれたらしいんです。そこで、きょうは山形県の最上川の付近だと思うんですが、立川町で風力発電の設置をしたと。ここの地域は、年平均の風速が5.7メートル、これだけの風が吹くということで、まだ始まったばかりで、始まって一か月ということなんで、どれだけの電力を確保できるかというのはわからないんですけれども、デンマーク製の風車と言いましょうか、それで年間120万キロワットアワーを獲得したいと言うんですか、「発電したい」と、こういうふうに言われておりました。一か月間しか動いておりませんので、「1か月間で10万キロワットアワーを発電した」というふうに言われておりまして、とにかくこれも、「有害物質なしで発電ができる」。そして、「東北電力と契約を結んで、それを買っていただく」、こういうふうに言われておりました。とにかくこういう形で、「これを全国に広げていきたい」と、このように言われておったわけでございます。  あちこち発言が飛びさがして申しわけないんですけれども、こんな中で補助金を出しているところというのは大変少ないらしいんですけれども、この資料をちょっと、向こうの発電所の大会でいただいた資料をめくっておりましたら、富士宮市と言うんか、そこが補助金制度をやっているらしいんです。そういうことで、これは今は平成7年度当初ということなんで、一応300万円程度の予算額ということで、国の補助金が3キロワットアワーで240万円、市の補助金が80万円、設置者の負担が160万円、こういうことで、その当時は480万円、3キロワットアワーで480万円、今だったら400万円を切るぐらいになっているというふうに思うんですけれども、その当時、そういう形で、そういうことでこの160万円でしたら、約21年間で回収できるというふうになってるわけなんです。  そういう点で、何か田辺市もがんばれ補助金というのがあるわけなんですけれども、やっぱり200万円のお金が出る、それはいろんなそういう意識というものがありましても、なかなかそんなにはすっとはいかないという、ただ「銀行の預金をしとくよりもいいですよ」というような、そんなことで言われておりましたけれども、1億円の利息が昔でしたら680万円ぐらいあったのが、今は55万円ということで、そういうふうに考えましたら、そういう一つの銀行の利息よりも、電気を発電した方がもうかると、こういうようなことも、そういうことも考えられるなというふうに思ったんですけれども、そういう点で、そういうふうにして補助金等を出してでもという形になれば、何とか20年程度で償還をできて、クリーンなエネルギーが獲得できる。そして地域もそういう形でPRできるというような、そういうようなことも考えながら、とにかく田辺市をPRする、そういう太陽光発電のデータ、あるいはこの地域の情報をインターネットなりに乗せて、発信をしていただけないかなと、こういう要望でございます。  それから、三番目の歩行やジョギングなどで、健康維持やスポーツに精を出されている人を多くみる、と。安全に利用できる場所などの対応を望む、こういうふうに書かせていただきました。きょうは、稲沢議員お見えでないんですけれども、きのうの稲沢議員の発言を聞きまして、常に国、県、市の連携を密にされたいというような、その趣旨が述べられておりまして、私の言いたいことも、とにかく言い尽くされたなというふうに思っておりましたが、後で行われました初山議員の質問の中で、万呂地域のそういう紀洋団地の開発であるとか、交通の頻度等に触れられまして、県道上万呂北新町線のことについて言われておりましたけれども、何か部長の答弁を聞いておりましたら、ちょっと県道なのでというようなことがありまして、そういうことであればもう一度、私の質問のときにも言わせていただかないかんのかなと、このように思ったとこでございます。  と言いますのは、前にも何回も申し上げましたけれども、私たちが子どもクラブ育成協議会とか、あるいは子ども会活動の中で、あるいは学校行事の中でよく利用させていただくのが、大浜のトリムコース、ここは練習とかあるいは大会、リレーマラソン大会等にも使わせていただくわけでございます。しかし、これも高学年になりますと2キロメートルを走りますので、1.2キロメートルでしたら、一回りという形でいけるんですけれども、大変複雑なコースをとらなければならないと、そういうようなこともありますし、あるいは一応、外の歩道を走ってコースをとらなければならないと、このようなこともございまして、どこか一定の距離がとれるようなところはないのかというふうにも思ったわけでございます。そんな点で、今までの質問はさせていただきました。  また、そういうようないろんな行事のために、練習をするわけでございますが、そのときは私たちも道路を走って、県道上万呂北新町線を通って、それから急な坂を上って県事務所のところまで上って、帰ってくるというようなコースをとったこともあるわけでございますが、大変、朝走るにしても、夕方なんかとてもそういうところ走れませんし、危ない。そういうふうに考えて、ほとんどは高雄中学校グラウンドを回る、そういうような練習にしているわけでございます。しかし、一定の距離を走るというふうになりますと、大変同じところをくるくる回るというのは、退屈もして参りますし、子どもたちは、「土手へ行こう」というふうに言うわけでございます。「きょうは、監督、堤防ですか、高山寺ですか」というふうに言うて、あまり高雄中学校グラウンドをくるくる回るのを好まないように言うわけでございます。そういう点で、父兄の協力を得ながら、下万呂の左会津川の堤防、目座橋まで走らせて折り返すと、そういうようなコースで練習をさせたりするわけなんですけれども、いつも今のふるさとの川構想の中では、堤外の犬走りを活用すれば、本当に障害物がなく、大変長い距離がとれる、これを思い続けてきたわけであります。  それで、この間からちょっと一時やせておったんですが、今また元に戻って参りまして、ちょっと走るのがしんどくなって参りましたので、今度は、会津川の堤防、龍神橋から下に切戸橋のところまで歩いて、あそこを二往復するようにしてるんですけれども、なかなか何回も行けません。「三日坊主」と言いますか、ほんにもう二日ほどしかやっておりませんが、とにかくそこを歩くコースになってるわけなんです。秋津町の奥さん方とか、いろいろな方も、周辺の高齢者の方も歩かれております。犬の散歩もされておりますが、私たちは堤防の上を歩くわけですが、やはりその犬走り、かなり今のところは整備もされておりまして、切戸橋のところから、やはり龍神橋のところまででしたら、歩いてやっぱり行ける状態になっているように思います。まだ、私は下を歩いておりませんのでわかりませんが、下を歩かれてる方もおりますので、そのように少し手を加えれば、かなり長い距離がとれると、そのように思うわけでございます。そういう点、歩行あるいはジョギング、そんな形でひとつ自分の健康ということについて考えられる方が大変多くなってきているのが現状でございますので、ひとつそういう点、それは「河川だから、県あるいはふるさとの川構想だから県の事業だ」というふうに言わないでですね、いわゆる市民のそういうスポーツや健康のために、それを活用するという意味から、積極的にかかわりをもっていただいて、意見を述べていただきたいな、このように思っているわけでございます。  そういう点で、ひとつそういうどのような形になるかというのは、まだわかりません。あそこも多目的な広場の方がいいかなというふうに思っておりましたが、今、大変大きな機械が入りまして、どういうものをつくられるのかわかりませんけれども、工事がされております。ただ、犬走りのところは、何とかそういうふうな市民が気軽に使えるようなところというふうに、そこに龍神橋とかとどまらずですね、それから上の目座あるいは熊野橋のところまででもですね、延ばしていただく。あるいはその左会津川の対岸のところでもよく散歩されてる方を見受けますので、そこは私も行ったことありませんので、どのような形態になっているのかわかりませんけれども、そこも含めて使えるように考えていただけないか、このように思っているところでございます。そういう点で、建設部長のご答弁をひとつお願いをいたしたいと思います。  以上で、一回目の質問を終わります。             (19番 尾前陽三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    19番、尾前陽三君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    尾前議員から三点にわたってのご質問をいただきました。一点目の問題については私から、あと建設部長総務部長からお答えいたしたいと思います。  今、問題になっております薬害エイズや住専の問題につきましてご質問をいただきましたけれども、住専の問題につきましては、連日、報道などでも取り上げられておりまして、先日、本市議会でも意見書が提出されたところでございますし、一昨日、私から田中議員に対してもお答えを申し上げたところでございますので、省略させていただきますけれども、一連のものとして、薬害エイズの問題につきましても、新聞、テレビ等を通じて知る範囲でございますが、非加熱製剤の継続使用について、厚生省とそれから製薬会社や各種団体、研究会などの間での資料隠しなど、非常に不透明で密接な関係が取り上げられております。これまでも、厚生省には訴訟に発展した薬害関係等が幾つかございますけれども、この問題が、こと人命に直接かかわる問題でありますだけに、これまでの厚生省の対応には、薬を本当に服用する国民の視点に立った立場から、もう少し迅速かつ慎重な配慮が必要でなかったか、こういうことを私は感じているところであります。住専や薬害エイズの訴訟など一連の問題は、議員がおっしゃるとおり、政治や行政に対する国民の不信感を増幅させておりまして、この国民の信頼を取り戻すためにも、現在の状況や施策など、もう少しわかりやすく十分な説明を加え、そしてその上で誠意のある対応が、信頼関係を再構築する上で、最も私は重要なことだと考えております。  ところで、田辺市におきましては、行政と市民の信頼関係を保って参りますためにも、私ども職員一人ひとりが、常に市民の立場に立った物事の取組みを進めていかなければならないと考えております。市民の代表である議員各位の市政に対する共通の理解をいただきながら、なおかつ市民のみなさんの一人でも多くの方が、市政に主体的に参加をしていただくことが、これからのまちづくりの上で最も大切なことだと、私は考えておりまして、そういう意味でも、昨年の秋からも各町内会において、市政対話の集いを開いておりますけれども、市民のみなさんと膝を交えて話し合いを持つことによって、そのお考えやご意見を伺いますとともに、行政の立場や方針を説明して、互いに理解が得られるように努めているところであります。いずれにいたしましても、田辺市の発展のために、よいふるさとをつくっていくために、市政に対する市民のみなさんの積極的な参加や協力が不可欠でありまして、今後とも市民のみなさん方との対話を通じまして、信頼関係を保ちながら、市政の進展のために積極的に取り組んで参りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    総務部長、楠本薫君。
                (総務部長 楠本 薫君 登壇) ○総務部長(楠本 薫君)    私からは、二点目の尾前議員が大阪で開催された太陽光発電所の所長全国大会に参加されまして、田辺市が全国的に知られていないと感じられたと。市民総合センターに設置している太陽光発電について、今、盛んに全国、いや全世界的に取り組まれておるインターネットを利用して、全国に情報発信をして、歴史と文化のまち田辺をPRし、そしてまた、そのPRの際に、どのような分野まで参画できるのかというご質問にお答えさせていただきます。  インターネットの取組みにつきましては、地域情報化推進のために設立されております第三セクター、テレコムわかやま、新年度からインターネット事業を開始する予定で、準備を進めております。市といたしましても、これを活用いたしまして、情報発信を行うべくデータの作成、発信のための経費を新年度予算に計上、ご審議をお願いいたしているところでございます。発信する内容につきましては、市の概要、それから特性、そして長期計画の概要、それから観光や特産品情報、それから産業の状況、天神崎や南方熊楠翁、植芝盛平翁等の非常に多岐にわたった情報が考えられますが、この発信いたします内容や年次計画につきまして、新年度に入りましては、関係各課と十分協議をしながら進めて参りたいと考えております。その際、ご質問にございます、太陽光発電につきましても検討させていただきたいと、こう考えております。             (総務部長 楠本 薫君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    建設部長、桝本靖男君。             (建設部長 桝本靖男君 登壇) ○建設部長(桝本靖男君)    尾前議員さんの歩行者やジョギングに利用できる場所の対応について、お答え申し上げます。会津川の河川改修計画区間は、河口から左右会津川の合流点付近まで約2キロメートルの間であります。快適な水辺環境づくりに配慮した中小河川改修事業という事業で、県の方で推進しております。平成5年度から、高山寺付近におきまして、ふるさとの川整備事業の一環として、景観とそれから自然に心がけた川づくりを目指して、水辺に容易に近づける階段、また野草で覆われた護岸を整備して、さらに現在は、小泉の上水道の取水近くですね、付近におきまして、人びとに潤いを与える憩いの場として、野草広場、それからアメニティロード等の環境整備をしていただいているところでございます。これ今現在、整備中でございます。もう少し時間かかるかと思います。  それから、合流点から上流、目座橋までの市道万呂49号線につきましては、車の通行もなく、ジョギングコースとして最良の環境であると思われますので、堤防の表面整備を今後、進めて参りたいと考えております。さらに、目座橋より上流の熊野橋までの市道万呂53号線、これにつきましては、平成6年度から平成7年度にわたりまして、表面の整備を実施しております。現在、トリムコースとして多くの方がたに利用されております。  それから過日、初山議員さんから、稲沢議員さんの両議員さんのご質問に関連してでございますけれども、市といたしましては、国、県の上位団体によります土木関係の事業につきましては、すべて市の方に一報が入ります。それから、われわれは関係者同士で詳細の打合せをするわけなんですが、その後において地元へおろします。そのお手伝いは、私どもは今まででもやっております。しかしながら、施行主体である県なり、国なりのご意見と、われわれ市の意見と、それからまた地元の関係者の意見と、これすべて一致するということは、なかなか難しいわけです。われわれその中に入って仲裁をさせていただくわけなんですが、最終的には、事業主体である県なり、国なりの意思が優先されるというふうなことなので、決して私どもも何もしてないということではないです。中に入って調整はさせていただいております。とにもかくにも、いちばん苦労いたしますのは、一つの事業を着工するまでに、ご要望とそれから実際にそこへ直接関係者との温度差がありますので、着工するまでにその辺の県と地元との間へ入って、市は大変苦労するわけなんです。しかしながら、田辺市内のそういう土木関係の仕事でございますので、われわれも全般を見回しながら、絶えずどっかで何とかうまいこといかないかということはやっておるわけです。その中で、時間のかかっているものもございますし、スムーズにいく場合もございますし、ケース・バイ・ケースでわれわれも極力協力して、早期に整備できるように努力して参りたいと、かように思います。             (建設部長 桝本靖男君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    19番、尾前陽三君。             (19番 尾前陽三君 登壇) ○19番(尾前陽三君)    ただいまご答弁をいただきました。私、一番目の問題におきましても、今、言われていますことは、いわゆる薬害エイズの問題につきましても、その「情報公開というものがなされておれば、もっと早くそういうような事件の核心に触れるようなことができた」、「被害を最小限に防ぐことができた」というふうに言われておりまして、そういう点では、われわれよく言うわけでございますけれども、「市役所と市民の方のパイプ役になる」とか、あるいは「ガラス張りの市政を推進をする」と、こういうことを選挙等でキャッチフレーズにさせていただくわけなんですけれども、いわゆるこういう点では、やはり市民にわかりやすい、そして情報が市民の方にすぐに見ていただけるような、そういうふうなガラス張りの市政というもの、こういうことをとくに強く思ったわけでございます。もちろん国のそういう一つのシステムの中でございますから、どのような形でというのは、私も具体的にわかりませんけれども、そういう点、まず足元からですね、情報公開という形で、市民のみなさんにいろんな情報を公開をしていくと、こういう一つの方向を目指していただきたいと。これは、市長にひとつ要望をさせていただきたいと思います。  それから、太陽光発電の問題でございます。これは、これから何と言いましょうか、アジアの方でも大変工業が盛んになっておりますし、「2010年には、アジアの諸国が日本と同じようなレベルに達するんではないか」と、このように言われておりまして、勢いそういうエネルギーの問題も、またこの時点では大きな問題としてクローズアップされてくるんではないか、このようにも思うわけでございます。そういう点で、あのオイルショックのときに、私たちは、本当にどのようになるのかというふうに思ったわけでございます。そういう点で、ひとつ無尽蔵にある、そして無公害の、そしてそういう恵まれた地域である、この特性を是非大きく活用できるような、そういう施策をお願いを申し上げたいと、このように思っているわけでございます。また、そういうことを発信をしていただきたいと、このように思っているわけでございます。  それから、三番目の関係でございます。これは、今、建設部長の方から事業主体の意向というものが、最終的にはという問題があったわけでございますが、やはり私たちも和歌山県民でありまして、いろんな国の施策と言えども、近くで私たちが日常活用しやすいところで、いろんな事業がされるときに、そういう要望というものがあるわけでございます。そういう市民の要望というものは、やはり市の機関というものが、いちばん率直に感じることができるわけですし、また代弁をすることができると、このように思うわけでございます。私たちは、県の職員さんとなかなか膝を交えて話をさせていただくという機会というのは、本当に「皆無に等しい」、こう言ってもいいというふうに思います。もう今も、会津川の「左会津川」と言いましょうか、あそこはちょうど分岐点でございますが、「左会津川」のと言いましたら、右岸の方に「あずまや」って言いますか、休憩をするようなトイレもつくられておりまして、設置をされております。また、左側の堤防の方も大きな工事がされておりますけれども、どのようなものがというのがはっきりわからないわけでございます。生駒市長のときだったというように思うんですが、そのときは、道理事さんだったと思いますが、そこに立ち会っていただきまして、おそらく町内会からの要望だったと思います。小泉町と会津町と八幡町の方がたと要望、それだけではございませんが、ほかの要望もありましたが、堤防のことについても、ふるさとの川の構想について要望させていただいたような記憶もございます。そういう点で、ひとつ市民の声、私たちがここで発言をさせていただく声は、市民の声という形で、ひとつ市の行政の方がたも県の方に反映をしていただきたい、このように思っているわけでございます。  それから、今現在、トリムコースとして使われております目座橋から熊野橋の間でございますが、大変舗装は何と言うんですか、「強固な」と言うんですか、「上等な」と言うんか、大変よい舗装がされてるわけなんです。そういう点で、もう何て言うんですか、普通の車が車道のような形に活用されてきている。当然、そのトリムコースを横切っております道も、紀洋団地へ行くとか、あるいは県道に土手が挟まれているわけですから、当然、通行量も多いわけで、そういう点で私は安心をして、そして利用できるような、そういうような場所、それをひとつ考えていただきたい、こういうことで提言をさせていただいておりますので、先ほども部長言われましたように、消防の北署の前から下りたところから目座橋のところは、そういうふうにして大きな道で遮られているというとこは一か所もないわけでございまして、そういう点では安心して利用できる、そういうことでございます。  また、私はこの犬走りを活用してはということを言わせていただいたのは、会津川を美しくする会が主催をされまして、県土木とかあるいは関西電力とか、そして周辺の小泉町、八幡町、町内会とか、そういうふうな形で土手の草刈りをやらせていただいたときに、ああここはそのように使えるなということを発見したわけでございます。また、そのように私たちが活用させていただくということになれば、今はちょうど子どもクラブ育成協議会の市内大会と、そして草刈りの日が、ここ数年同じ日になっておりまして、私は五年間ほど手伝いに行っておりません。ちょうど私も子どもクラブ育成協議会のチームの監督をさせていただいておりましたので、しておりませんけれども、またそういうのを調整をしながら、ひとつの地域のボランティア活動にも参加をさせていただけるのになと、このようにも思ったわけでございます。そういう点で、ひとついろんな方面からご検討いただいて、そして私たちの意見を上部にも反映をしていただく。市民が健康を維持できるような、そういうような場所の確保を是非お願いをしたいと、このように考えているところでございます。  以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。             (19番 尾前陽三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    以上で、19番、尾前陽三君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(熊野芳和君)    この場合、暫時休憩いたします。               (午前11時00分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(熊野芳和君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前11時13分) ○議長(熊野芳和君)    続いて、13番、森哲男君の登壇を許可します。             (13番 森 哲男君 登壇) ○13番(森 哲男君)    議長の許しを得まして、今、4コマのマンガでございますが、私の一般質問にちょっと参考になるかなと思って配付させていただきましたので、私のしゃべる間、それを各自それぞれ考えて、話は聞かないで結構でございますので、考えてください。  それでは、通告に従いまして、高齢化社会を迎えて、ともに支え、住んでよかったと感じる故郷づくりをということで入りたいと思います。現在、世界一の長寿国家となっており、国民が長年目指してきた目標が達成されて、大いに誇るべき効果でありますが、これからの課題は、いかに社会全体として長寿を支え、一人ひとりが長生きをしてよかったと実感できる社会を創設していくかにあります。21世紀の超高齢化社会において、中高年人口がさらに増大し、若年人口が減少する中で、いかにこの国の活力を維持増進していくのか、女性や高齢者のより積極的な社会活動への参画をいかに実現するか。そのためにも、これまで主として家庭で対応されてきた高齢者介護や子育ての問題を、いかにして社会が支援していくのか、その負担費用のあり方をどのように考えるのか。子どもたちに、家庭に代わるどのような環境を用意できるかなどが大きな課題となり、これに対するシステムづくりが必要となってくるわけであります。老若男女を問わず、社会の様ざまな構成員が自立しつつ、相互に支え合い、助け合い、ともに充実した人生を送ることのできる長寿社会の建設に向け、福祉、教育、国民の社会参加のあり方を総合的にとらえ直すことが、今まさに求められておるのであります。  とくに、市民の老後生活の最大の不安要因である介護問題については、高齢者や障害者が生きがいを持って幸せに暮らしていけるよう、新ゴールドプランや障害者プランを着実に推進して、介護サービスの基盤整備に努めていただいておりますが、保健、医療、福祉にわたる高齢者介護サービスを総合的、一方的に提供する社会保険方式による新たな介護システムの制度化に向けられようとしている昨今、ハード面に合わせてソフト面を必要とする高齢社会が来ているのであります。そこで、長生きしてよかったと満足する生きがいを送るためには、まず私は、人づくりが最重要課題であろうかと認識するわけでありますが、これは一朝一夕にでき上がるものでも、簡単なことでもないのは百も承知であります。現在、みな中流意識の豊かな社会になり、何か大事なものが忘れ去られたようになっています。  日本の社会は、江戸時代までは慈善という習慣が根づいていた。しかし、明治に入ってから、富国強兵のために、また戦後は、急激な経済成長を果たすために、法律優先の社会に衣更えをいたしました。この慈善という間接的にはプラスになっても、直接的な利益をもたらせない極めて非効率的な行為が疎んぜられ、法律優先の経済成長路線の中で、こうした行為は忘れ去られた。しかし、時代は今変わっている。法律優先のぎくしゃくした社会では、いかに住みにくいと人びとが感じ始めている。自分だけよければ、ほかはどうなってもよい。人を傷つけても何も思わない利己的な社会より、たとえ効率は悪くても、互いに助け合う精神のある社会の方がずっと住みやすい。自己の生存をそれぞれ全うするための、そういうやさしい社会の方が、広く考えれば利己的な世の中よりもよいのではないかと、多くの人が考え出した。もちろん十人十色でありますが、エゴむき出しの競争社会の方がよいと考えている人も大勢いると思います。日本がここまで豊かになった現在、手のあいた者がヘルパーを務めるボランティア社会をつくった方が、生きていくためにも合理的ではないか。自分が生きる、自己の生前をそれぞれ全うするための、そういう社会のシステムづくりが大事と考えるのであります。  そこで、生まれてからの社会環境、すなわち教育でありますが、昨日も「君の子どもは塾へ行っているのか」と聞くと、三人の子どもをそれぞれ行かせておるとのこと。ある中学校へお願いしてアンケートをとってもらったら、中学一年生で約81パーセント、二年生でちょっと下がって60パーセント、三年生で急激に上がりまして90パーセントが塾へ通っているという現状で、全体を見ると77パーセントの生徒が何らかの学習塾へ行っている。この数字は、そろばん、音楽、その他入れますと、相当数が通っているのが現状でなかろうかと思います。優秀な子ども、何に優秀な子どもか、親ともども考えなければならないときにきてると思うのであります。東北大学の総長であります、西沢先生が学生に、「まず、命をかけても、自分はこれをやっていきたいと思うものを早くつかんで、人生観を持ってほしい」と学生に話しますと、学生は、今まで質問は一度も出らない者が珍しく質問をして、「先生、それはどの本読んだら書いてありますか」と、その先生は、「全く教育をしながら焦りました」と聞いたことがあります。  これ、すなわち全部自分の考えることじゃなく、教えられる中の現れではなかろうかと思う次第であります。日本の戦後の教育は、偏差値教育という言葉に象徴されるように、一貫して知識を教える教育、すなわち知育がほとんどすべてであった。なぜそうなったかと、私なりに考えて見ますと、戦後の日本は、敗戦の貧困から抜け出して、経済的に豊かになるため、経済至上主義をとっていて、官庁も一般の企業も人格や個性はさておき、とにかくできるだけ知識レベルの高い人間を求めて、それが教育の方に反映して、大学から逆コース的に、幼稚園一律に知育偏重の教育体系の中へ組み込まれてしまったのではないかと思う。こうした教育の中で、決定的に忘れ去られたのが心の教育であり、人格の教育、またお金もうけにはならないが、社会をよくするという活動をやろうという気持ちの持つ人間を育てるという教育が、忘れたのではないか。社会全体がとにかく経済的な豊かさを求めることを絶対的に優先していて、心や人格の教育まで目が向かなかった。極端なことを言えば、人格や愛情が欠落していても、頭がよくてたくさん稼ぐ人間がよしとされた時代ではなかったのかと。  昭和50年代中頃より、日本人が総中流という経済レベルに達した頃より、社会全体の意識が少し変わってきて、経済的に豊かになって、住宅を除けば欲しい物は大体手に入るように、従来の考えで言えば、経済的に豊かになれば幸せになるはずであった。ところが現実を見れば、企業戦士は友人もいない、親子関係は断絶、困った人がいてもだれも助けない、このような社会になってしまった。お金や物があっても、それだけでは人は幸せになれないということに気付いた。本当の幸せな社会をつくるためには、人のことを思いやる心も大切だし、お金もうけにならなくても、困っている人を助けたり、環境をきれいにしたり、あるいは国際的にも発展途上国へ出かけていき、様ざまなボランティア活動も大切と考える人が、徐々に増えてきたのも現実であります。統計をとりますと、ボランティア活動をやりたいと思っている人が、五割ぐらいはいるようである。この数字にも、お金もうけだけではいけないという、社会全体の意識の変化が現れている。しかし、意識こそ変わってきたものの、現実にはボランティア活動についての教育も受けていず、社会にまだボランティア活動のシステムができていないこともあり、多くの人は、どこで何をボランティアすればよいのかわからないのが実情であります。  そこで、日本の社会のあり方を考える有識者などから、「知育万能だった従来の教育を変えて、心や人格の教育、社会に貢献することの大切さを解く教育の必要性」が言われるようになり、こうした状況を背景に、93年11月の文部省の指導となったわけでありますが、ある意味では、戦後50年にして日本の教育界は、知育万能から心の教育へと、教育のあり方の抜本的な反省を迫られていると言っても過言ではありません。ところが、学校では人格教育や社会貢献教育をすることに対しては、教育の現場の側から、様ざまな異論があろうかと思う。現場の先生方は長年、知育万能でやってきたため、端的に言えば、理数国社英を教えるのが教師の基本的使命だと考えている先生もいるだろうし、急に人格教育、社会貢献教育と言われても困るというのが正直なところであろうと思います。  さらに言えば、人格教育や社会貢献教育に関して、不幸な歴史がありました。昭和20年代後半に、当時の天野文部大臣や教育界のリーダーだった森戸辰男さんといった人たちが、「利己主義の人間ばかりが多くなっては困るので、国を思う人間をつくらなければならない」と言って、道徳教育を主張した。当時は、まだ戦争の記憶が強かったために、また国民を戦争に引っ張るような邪悪なものとのことで、道徳教育に反対した論理であった。「国を思う人をつくる道徳教育」という提示のされ方をしたことが、そもそもの不幸だったと思う。これでは、戦前の教育勅語でも出てきそうである。もし、最初に「国民社会、市民社会を思う人をつくる人格教育」という提示のされ方をしていたら、事態は大分違ったのではないだろうかと思う次第であります。しかし、最初に「国」が出てきたために、反対論者との議論は、初めからかみ合わないまま、双方とも議論に疲れ果ててしまい、結局は道徳教育と一緒に、人格教育までひっくるめて蔵にしまわれてしまい、その結果、日本の戦後教育は、知育に集中してしまって、結局のところ、それが人のやさしさを失った、ただ経済至上主義に言うようなだけの人間を、大量につくり出すことにつながったと思う次第であります。  一方で、国に都合のいい人間をつくることになるとして、道徳教育に反対した人びとが、他方で経済大国日本をつくるのに、都合のいい知育に集中したのは、まことに皮肉なことである。今、ようやくその歪みに社会が気付いてきて、「人格教育や社会貢献教育の必要性」が言われ始めたのに、過去の不幸な歴史もあり、教育の現場の側に、いまだに人格教育や社会貢献教育への反対論があるのは残念なことである。反対論の中でも、非常に多いのは、ボランティア活動というのは、そのような意志のある者が自発的に行うべきものであり、「学校でカリキュラムを組んで、強制的に行うのはおかしい」という議論であろうかと思う。しかし、これは初等、中等教育で教えるのは、社会貢献活動であって、ボランティア活動ではない。確かにボランティア活動というのは、自発的に行うものだが、社会貢献活動というのは、必ずしも自発的に行うものだけではない。  例えば、アメリカでは、軽い犯罪に対する罰として、判決で空き缶拾いを命じて、強制的に社会貢献活動をさせることがある。この間、ドイツ、オーストリアに行ったときにも、社会福祉施設で、建物の中に絵を書いたり、またデイ・サービスに来ている老人の人びとに、一緒に絵を書いたり、教えたりしていた青年が、所長の言うには、「兵役拒否をして、社会貢献活動をしている」、ドイツでは、兵役活動の拒否に対して、一年九か月、オーストリアでは、二年間義務付けられているのであります。つまり、ボランティア活動は、社会貢献活動ではあるが、社会貢献活動のすべてがボランティアによって行われるわけではないのであります。そして、社会貢献活動をすると、意義を学校で教えることに何の問題もなく、むしろ積極的に教えるべきであろうと、私は思うわけであります。具体的に言えば、社会貢献活動の大切さを幼稚園から中学校までに教える、それから以上は、自主的な判断が可能になるから、高校生ではやる気のある生徒が、何らかのボランティア活動を自然とするようになるのではないか。  教育基本法の中にも、第1条で、教育の目的について述べていますが、その条文の冒頭に出てくるのが、「人格の完成を目指し」という文言なのであります。その後ろの方に、「真理と正義を愛し」という文字が出て参ります。この真理という部分で、かろうじて知識を教える教育が関係して参りますが、教育基本法が何より重視しているのも、人格の完成ということで、知育はその一環に過ぎないのではないか。したがって、教育者が知育にばかり熱心になって、人格教育や社会貢献教育を認識をしないと、そのツケは、結局自分に回ってくることをわからなければならないと申しますのは、今、超高齢化社会へ突入しようとしていますが、現在、かなり深刻であります。これから本格的に高齢社会を迎える十年、二十年後には、さらに深刻の度が増しているのが予想される。そのときになって慌てても遅いのであります。今から明確な見通しを立て、きちんと対応していかなければならない。  この問題を考える上で、いちばんの基本は、家族相互の介護、援護が今後、どうなるか。どこまで期待できるかということである。従来の考え方は、本人が自分でやれる限り、自分でやってもらう。本人ではやれなくなったら、家族が援助介護する。家族でも介護が見きれなくなったら、自分のお金で家政婦さんなりを雇い、看てもらう。お金がないときは、行政に依頼するという四段階のシステムをとっていた。その場合、援助介護を必要とする老人のうち、七、八割は、おそらく家庭で何とかしてくれるだろうという期待が前提となっている。残り二、三割のうち三分の一から半分くらいは、自分のお金で家政婦さんを雇って介護を頼むだろうから、残りを行政で引き受ければよいと、ただ漫然と考えられてきた。要するに家族の援助、介護に期待するウエイトがかなり高いわけである。この考え方は、現在でも既に部分的に波状している。その一つが、病院が老人福祉施設用になってしまったことであります。  日本は、昔から老人の話相手になるとか、簡単な用事の手助けをするといった援助は、家族でやる風習があったため、行政は老人福祉施設をあまりつくってこなかった。しかし、戦後の急速な核家族化や住宅の狭さ、職場の異動などの関係で、家族で見きれない老人たちが大勢出てきた。それらの老人たちは、治療が必要でなくなったにもかかわらず、介護力の不足から、病院を退院することもできず、寂しく生活をするのが現状であります。行政の予測よりも、はるか速いスピードで家族の絆が崩壊しつつあるのが、現状でなかろうかと思っております。問題は、これから先である。今、述べたように、現状のシステムは七、八割までは、家庭で何とか面倒を看てくれるだろうという期待が前提となっている。今、質問している私も看てくれるだろうと思っておるのですが、直視して見ますと、期待は崩れるのが現実の不安であり、検証し直す必要があります。この前提が、今後、大きく崩れるようであれば、社会システムは根底からつくり直す必要が迫られるのではないか。  気になるデータが一つある。と申しますのは、ECが最近発表した、婚外子に関する統計結果であります。デンマークで約半分、イギリス、フランスで三分の一の子どもが婚外子と言う。けさのNHKのニュースでもあったと思うのですが、15歳のティーンエイジャーの子どもが、もう既に100万人から子どもが婚外子で生まれておるというような現状が放送されておりましたが、これは驚くべき数字で、半分又は三分の一が婚外子ということは、それに近い数字の母子又は父子家庭があるということになる。それだけ家庭の崩壊が進行しているわけである。この子どもたちには、親の老後の面倒を見ることは期待されていないであろうし、父親は子どもによる介護も、妻による介護もなく、母親もそれとあまり変わりない社会全体が、そうした傾向を強めている以上、家庭として残っている世帯も、家族の絆は極めて弱くなっているに違いない。そうした社会がヨーロッパで既に出現しているのであります。  情報社会の現在、欧米の風俗や社会風土は、時間をおいて必ず浸透して参ります。現に、今まさに夫婦ですら別姓を名乗り、一緒に生活する夫婦が出現し、また「死亡後、夫の墓に入らない」、「入りたくない」という意見もあるのも確かである。一般の風俗で十年ぐらい、社会風土で二十年と見てよいのではないか。ヒッピーは十年遅れで日本に入って来たとなると、日本も少なくとも十から二十年後は、現在の少子化の中、欧米並みの家庭の崩壊現象が起こることになる。日本は、今のところ専業主婦が圧倒的に欧米に比べて多い。しかし、十年後、男女の労働力率は、ほぼ同じとなる。男女が家庭をつくらず、婚外子が増えるという傾向は、女性が経済力をつけたために出てきた傾向であります。私が、行って参りましたイギリスにしても、オーストリア、ドイツでも、欧米は女性の自立が多く、子どもに対して母子家庭で年金が出る。社会的養育システムが発達すると、家庭をつくり維持していく必要性は薄れ、家庭の絆が急速に弱まっていくのは、欧米を見て証明されているのが現実であります。何とか家庭が維持されている現在ですら、就職先があったら離婚するという女性が、数多く出てきております。  今後の人口の高齢化がさらに進行し、まことに喜ばしいことでありますが、ウーマンパワーが社会の各分野で活躍を始め、女性が経済力を持つようになると、頼りない男性は見限られ、捨てられて、社会の藻くずとなって消えるのみの人生となるのである。欧米並みの社会が、日本に現出するのは否定できない。ひとり暮らしの老人、また弱い男性を支えるシステムの構築が迫られるのであります。老人の話し相手になり、元気づけたり、買物や家事を手伝う援助システム、これがあるとないとでは、老人の健康にも大きな影響が出て参ります。紀北の話でありますが、小学生の子どもがひなたぼっこをしているおばあさんと、何気ないあいさつより交流が始まり、帰りに毎日、おばあさんのところへ寄って帰ることが日課になり、何年も続いていることがマスコミに載っておりましたが、だれも話し相手のない老人は気持ちも落ち込むし、寝たきりになるのも早い。しかし、元気づけてくれる人がいれば、頑張ろうという気にもなります。だからこのシステムができれば、老人医療もかなり節減できるのであります。  このシステムは、行政ではできません。行政がやると非効率になり、心のこもったものにならない。家族も含めた住民組織、すなわちボランティアでカバーしていく領域なのである。人間のあるべき姿を備えてもらうには、生まれてからの教育であると確信いたしております。あるべき姿とは、自己に忠実に生きることと、自分以外のほかに顧恋の情を尽くすことの二面であると思います。顧恋の情とは、人間の心の奥深いとこから自然に湧き出る思いやりの情であります。ともすれば、人は一人で生きているという思い上がりの錯覚をいたすときもありますが、一人ではなく、集団社会の中にあり、集団社会を離れることは、人間はできないのであります。その集団社会の最も厚く深い関係は、父母と子の絆であります。地球上、何十億人の人びとが生存しておりましても、父母との血の交流を断ち切ることはできません。この絆を大切に守る姿が孝行の孝であり、修験場の大峰山に登山して、ロープで吊るされ、断崖絶壁にして「親に孝行するか」と言われ、恐ろしくて慌てて「します」と答えた経験のある方もおられると思うが、この孝行の孝であって、道徳とは、これが基本であります。何も難しいことではないはずで、古くは孝という文字は、老人の老と、その下に子どもをつけまして孝と言ってたそうでありますが、つまり、老は年老いて、腰の曲がった老人が杖をつく形であり、それを下から子が支えて大切にする姿を、老人の下へつけたことを言った。すなわち孝は、子が親を大切にするとともに、親が子をかばって哀れみ、慈しみをかける姿であります。得手勝手な大人高齢社会に入るから、少子化の中でわれわれを背負ってもらうために、自分たちが日本の繁栄を楽しんで、次代の人びとに責を負わすことになる現在、われわれともども明るい社会を築くために、家族の絆を弱まらないよう、心豊かな人づくりを願う次第であります。  そこで、知育教育と並行して、人格教育に力を注いで、温もりのある人間づくりをお願いするわけであります。学校教育にだけ「豊かな心を育てる教育をしろ」と、無責任で押しつけるものではなく、地域で社会全体で育てなければなりません。国に長期的なビジョンがないから、無責任時代になってしまった現在、何と申しましても教育は、国の根幹であります。教育を文部省だけに任せておく時代は、終わりました。国ができないのなら、地道に教育は字の如く、「教」はすなわち教えであり、正しい正確な答えが出せるものであろうかと思います。これは専門教師の努めであり、苦労であります。また、「育」とは育てるという字であり、温かい心、親子の関係、目に見えぬ計算できない心の育てであろうと思います。家庭で大体、「教える」とは言いません。温かい心を育てる、親子の関係を育てるというのが家庭であり、学校はすなわち側面から協力するのも、あくまでも主体は、「育」の育てるは、家庭であろうかと私は思うのであります。そこで、学校教育では豊かな心を育てるために、また子育て教育をどうなされているのか、お伺いしたいと思います。また、生涯学習として、子どもの自立を促す母親教育に力を入れていただきたい。  次に、当局にお伺いするのですが、先ほど申し上げましたように、かつて経験したことのない速さで、高齢社会に向かっております。平成5年、総理府によると、高齢期の生活イメージに関する世論調査によると、イメージとして経済面、健康面で不安の多い生活とのんびりした生活、暗い面と明るい面と、各四割と拮抗しており、期待と不安が交錯しています。また、当調査によると、自分の高齢期の生活についての不安の有無については、九割近くが「不安を感じることがある」と答えております。内容としては、老後の経済的な不安より、健康面の不安、寝たきり、痴呆症になったらどうしようとの不安が増大しており、現在は、要介護状態になることは、経済的な面も含め、国民の老後生活に対する不安感の最大のものと言っていいと思います。このような不安を解消し、ともに支え、住んでよかったと感じるふるさとづくりを、総合的な施策で展開していくことが大事であると、私が考えております。そこで、市長は、こうした市民が抱いている老後への不安を解消するために、どのような基本市政で取り組もうとしているのか、ご見解を伺いたいと思います。  それと、通告二番目でございますが、橋谷交差点の交通渋滞についてでありますが、不思議なことに、ここ二日、三日前からスムーズにさっさと流れて、これ何のために質問したんやろというようなことでありますが、昨日も、一度も止まらずに、そのまま十何台が通ってしまったというようなことで、わし風悪い質問したなという気持ちもあるんですが、しかし、渋滞するのも確かであります。そこで、二点目の橋谷交差点の交通渋滞について質問します。  過日、市長が市政方針を示された中にもあったとおり、「教育行政が重要」だと言われ、広域交流が行われるようになってきています。通信網の発達や最近とくに目ざましい発展をとげているパソコン通信等を利用した、情報交換も盛んになってはきていますが、交流の原点は、人と人が顔を見合せ、触れ合って、人の温かみを感じ合いながらの意思の伝達であり、また手から手への物の受渡しであると思います。このような人と人とのつながりを深め、行き来し、物が動く最も一般的な手段が、自動車交通によるものとなっているのですが、この基盤となる道路が、必ず整備が整っているとは言えない状況にあります。国道バイパスの建設、県道の改良、また市関係道路の整備等々が進められているのは認識するとしても、現実に交通渋滞を起こし、交流や物流の障害となっている箇所が、芳養、稲成、礫坂市内の各所にあり、新庄地区内においても、とくに田鶴や橋谷交差点が、毎日このような状況にあります。  橋谷交差点は、国道や県道の交差点でありますが、田辺市街地と関係の深い白浜町や上富田町、紀南の各地への出入口となっており、また高等学校三校や小・中学生の通学路としても重要な位置にあり、国立南和歌山病院の通院や福祉施設への行き来にも、どうしても通らなくてはならない関所のようなところになっていますが、青信号を二回、三回と待たないと、通り抜けない状況にあります。一回信号にかかると、非常に長い時間待たなくてはならないため、時間的ロスは大変なもので、無理をして通り抜ける車があって、危険を感じることもあります。橋谷交差点を通過するときに感じることは、右折車、左折車と直進車が交じることによって、車線がふさがり停滞の原因になっている場合があるとのことです。例えば、文里方面から信号に入り、朝来方面に右折する車がいつも多く走っていますが、この右折車と橋谷地区からの直進車が突き合って、通過台数を減少させている場がよく見られます。この近隣に住む橋谷地区の住民からすれば、どうしてもこの交差点を通らなくてはならず、地区住民、生活への影響はとくに大きいものがありますので、橋谷交差点の解消に向けて、当局の見解を求めたいと思います。  これで第一回の質問を終わります。             (13番 森 哲男君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    13番、森 哲男君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    森議員から二点にわたってのご質問をいただきました。高齢化社会を迎えて、ともに支え、住んでよかったと感じる故郷づくりということで、その高齢化社会が進化する中での人づくり、社会づくりについての、その重要性について理念をお伺いしたところであります。この問題につきましては、基本的に私にご質問をいただきました。これからの不安を解消して、ともに支え住んでよかったと。この故郷づくりを総合的な施策を展開していく、基本的な市政というものについてご質問をいただいたところでありますけれども、私をはじめ担当部長、教育関係、そういうところからお答えを申し上げたいと思います。  長年、社会に寄与されてきた高齢者が、安心して生活できる基盤を確保していくということは、これは市政を進める上で、私が最も大切な業務の一つと常日ごろ認識しているところであります。とりわけ議員ご指摘の、市民の老後への不安の中で最大のものであります、高齢者介護の問題は、おっしゃられるとおり、非常に先行きを考えますと、今日的課題でもありますし、これからの本当に重要な課題でありまして、安心して暮らせることのできるまちづくりの中でも、大きな柱でございます。これらに対応するために、市では平成5年の6月に、長寿をともに喜び合える社会づくりのための総合的な指針であります、田辺市の高齢者福祉総合指針、ゆうゆうたなべ21プラン及び田辺市の高齢者保健福祉計画を作成をいたしまして、現在、これらの指針、計画に基づきまして、保健福祉総合センターとしての田辺市民総合センターの整備とか、それから老人複合施設の建設をはじめといたしまして、幾多の施策を展開して参っておりますけれども、今後も、民間の市民のみなさんのご協力、そして民間の事業者の方がたのご協力をいただきながら、ともに、そして懸命に努力を続けて参りたいと考えているところであります。  高齢者介護は、国民的な課題でございまして、国においては、平成9年度を目標に、公的介護保険の導入を検討いたしております。国の老人保健福祉審議会の審議が、予定よりも長引いておりまして、第二次報告におきましても、保険者が三者併記となっているなど、その具体的な内容というものは明らかになっておりません。介護にかかる費用をどのように負担していくのかという論議は別といたしまして、高齢者の介護を保障し、国民の介護への不安を解消していくとの観点からは、避けて通れない道でございます。現時点で、私ども市行政としての最善の取組みとしては、さきにも申し述べました指針及び計画の実現に努力していくことだと考えております。それに合わせて公的介護保険の動向にも十分注目しながら、必要に応じて、田辺市高齢者保健福祉計画の見直しも検討していかなければならないものだと考えております。既に保健福祉部を中心に、事務的レベルで介護対策の研究会を発足させまして、新たな情報の収集と田辺市における介護対策の方向を研究するように、指示をいたしておりまして、国の動向と田辺市の実情に合わせた対応を、今後も真剣に検討して参りたいと考えておるところであります。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    教育長、角莊三君。             (教育長 角 莊三君 登壇) ○教育長(角 莊三君)    森議員のご質問のうち、ノーマライゼーション社会に向かって、知育偏重教育より人格の完成をということを中心に、今後の教育の全般にわたってお答えしたいと思います。母親教育等に関しては、生涯学習部長からお答えしたいと思います。現在の学習指導要領は、国際化、情報化、高齢化が進むことを背景として、知育偏重、学歴偏重社会のもたらす問題への反省の上に立って、心の豊かさ、あるいはその人なりのよさ、自分から進んで学ぶ力、そして日本の伝統的なよさとともに、国際的に活躍できるたくましさを持った人間を育成していこうと、そういうことに基づいて改定されたものであります。そういったことを踏まえまして、道徳の重要性と、こういうことが大きな柱になっておるところであります。道徳的な実践力というものが、自然に身についてくるように、生き方の自覚を深めることを大切にしているところであります。  田辺市教育委員会では、自分のよさを伸ばし、広く社会に生かす人間の育成を掲げて教育実践を進めており、その中に県や田辺市社会福祉協議会の支援をいただきながら、全部の小学校、中学校を社会福祉協力校の指定をして、社会奉仕や社会連帯の基礎が培われることを願った体験的活動によって、福祉教育の充実に取り組んでいるところであります。各学校の具体的な活動は、運動会や敬老の日に合わせて、お年寄りとの交流、地域のお年寄りに手紙を書いたり、訪問したりする交流、高齢者の福祉施設や障害者福祉施設を訪問し、介護や作業のお手伝いをするなど、体験活動を積極的に取り入れております。もとより動機や目標に、自然体が見られるようになるには、まだ時間がかかることでありましょうけれども、このように自発性を促して、息の長い取組みによって子どもたちは、日常的にも、そして非常時にも、わが事として生き生きと助け合いが期待できるのではないかと思っております。  また、学校五日制にかかわって、毎月第二土曜日には、小学生、中学生、高校生、一般の人たちと障害を持つ子どもたちと、半日、生活をともにして、ボランティア育成の活動を進めております。第二土曜日のボランティア活動に参加した子どもたちは、障害を持つ子どもたちが懸命に生きている姿と、保護者の方の子どもへの思いを実際に体で感じ、生活をともにした体験と感動を感想文に綴っております。一度参加した生徒は、活動に対する認識の深まりとともに、自分の将来について真剣に考える態度が身についてきていることもあり、継続的に参加してくれています。また、この活動に参加した生徒の中には、将来の進路を福祉関係を選んでいるとも聞いております。このような取組みの経験から、今後も地道で継続的な活動は必要でありますが、私は、将来のノーマライゼーション社会に向かって、若者たちに明るい希望を抱くことができると考えております。このことは、議員の申される家族介護や福祉施設への、ボランティアへの明るい期待が抱けると思っております。このようなことを踏まえ、今後も生き方の基本として、自分を生かすとともに、家族の絆を確かなものにする、よりよい生活を営む市民に成長するよう、今後も福祉教育の実践的活動も含めて、人格の完成を目指した教育の充実に努めて参りたいと考えております。             (教育長 角 莊三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    生涯学習部長、砂野啓三君。            (生涯学習部長 砂野啓三君 登壇) ○生涯学習部長(砂野啓三君)    私の方から、子どもの自立を促す母親の教育に関してのご質問について、お答えさせていただきます。子どもの自立など、人が成長する過程における人間形成の基礎は、「家庭環境によって培われると言っても過言ではない」と言われています。家庭教育は、本来、親が子どもに対して行う教育であり、子どもの健やかな心身の成長を図ることを一に願って行われる、私的な教育です。このようなことから、親が家庭教育に果たす役割は非常に大きく、親が子どもへの教育を十分に行うための知識、技能、態度等について、親自らが学習することは大切であります。こうしたことを踏まえ、学校教育、社会教育の分野において、今日までお父さんやお母さんはもちろんのこと、一般成人を対象とした家庭教育に関する学習を促進、援助するための機会をつくって参りました。具体的な取組みといたしましては、将来、親となるための基本的な知識を身につけることを目的とした、あすの親のための学級や小学校を中心に、PTAのみなさんと連携を図りながら、保護者自身の学習要求も取り入れた家庭教育学級、同和教育父母教室などを継続して参りました。  平成5年度からは、乳幼児を抱え、どちらかと言うと、今まで学習の場に参加しにくかった若い母親を対象に、託児付きの若い母親のためのセミナーを開設しております。また、生涯学習課では、地域活動や教育、福祉活動などの社会貢献を目的とするグループや団体等に対しまして、その活動費の一部を助成しておりますが、その中にも育児や母親同士の仲間づくり、悩みの解決などに自主的に取り組まれているグループ、団体が数多くございます。最近の青少年問題の背景には、都市化による地域社会のコミュニケーションの崩壊、少子化、核家族化の進行によります、家庭教育機能の弱体化などが指摘されております。議員さんからも、人づくりは最重要課題である。子どもたちの家庭環境をどうつくるか。今の社会は、大事なものを忘れていないかとのご指摘もございました。今日の変化の激しい社会情勢の中で、子育てに関する不安や悩みが増加していることは事実であります。  私どもは、今後、生涯学習活動の中で、実践に役立つ学習プログラムの作成や、家庭教育に関する諸問題についての原因や、背景の調査研究をしっかりと押さえ、適切な情報資料を作成するとともに、学習機会の充実、指導者の確保など、家庭教育に関する学習の促進、支援のための条件整備をなお一層進め、ともに学び、ともに育てる地域社会を築いて参りたいと考えております。  以上でございます。            (生涯学習部長 砂野啓三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    建設部長、桝本靖男君。             (建設部長 桝本靖男君 登壇) ○建設部長(桝本靖男君)    お答えいたします。国道42号、橋谷交差点の交通渋滞につきましては、議員ご指摘のとおり、度重なる交通渋滞が発生しまして、その対策に関係機関、まことに苦慮をしてるところでございます。そこで、この橋谷交差点の根本的な解消には、市内の総合的な道路の整備が必要と考えております。しかしながら、道路の整備には、相当な年数と費用が見込まれますことから、当面の対策といたしまして、現道の道路で改善できるところがないか、各関係機関と協議しながら、渋滞の影響を可能な限り少なくするよう努めて参りたいと思います。よろしくお願いします。             (建設部長 桝本靖男君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    13番、森哲男君。             (13番 森 哲男君 登壇) ○13番(森 哲男君)    大変ご迷惑をかけて、時間も過ぎていきますが、今後の高齢化社会を支えるのには、是非とも小さいときからの子どもの教育、温かい心の子どもを仕上げていきませんと、われわれ社会情勢が大変核家族化される中で、この高齢化社会を乗り切れない状態が参ると思うので、私はあえて、今議会において質問をさせていただきました。俳優の亡くなりました鶴田浩二さんが、「何から何まで真っ暗闇だ」と、国会、住専問題、また昨日のエイズの問題につきましても、「私には責任ないよ」と、「ほかの人が、ほかの人が」というような責任転嫁の中で、五十年間の教育の集成がそこに現れておるのじゃないかということで、反対も賛成も、みな自分の顔に、「天に向かって何を吐く」と申しますか、それぞれ自分を振り返れば、そのようなことがわかるはずでありますが、姿形を重んずるばかりに、正確にその行動が見えないという不便さをいつまでもやっておると、地獄であろうと思うのであります。  どうか、教育委員会にいたしましても、生涯教育にいたしましても、感性の豊かな子どもを育てると。「人格の完成を目指して、教育を充実したい」という教育長のご返答をお聞きいたしまして、是非とも子どもの人格完成をお願いしたいし、また生涯教育につきましては、自分の子どもが大事であれば、やはりその子どもの人間としての脳の発達、大体人の子は二、三歳頃から大変記憶をするらしいんでございますが、六、七歳になると、その人の一生の性格が決まってしまうというようなデータが、医学的にあるそうです。明朗、清潔、正義、正直、同情、勇気、義侠、反省、忍耐、人に尽くす、人を思いやるといった人間の本質は、幼少の頃から身に付けるように導くことが大切と思うのであります。「四、五、六、七歳になると、速いスピードで精神的に発育し、九歳、十歳の頃には、人間性の頂点に達するほどに成長する」と言われるように、人の成長にとって大事な時期が、二、三歳から九、十歳らしいということを医学的にもお聞きするのでありますが、何もかも行政社会に押しつけるものじゃなく、やはりいちばん宝の自分の分身である子どもを次の世代に役立たすためには、少々の経済的な面も多々あろうかと思いますが、歯を食いしばって子どもを仕上げていくのも、自分にとって、また社会にとってもいい子どもが完成さすのであろうかと確信しております。  学校給食にいたしましても、私は、自分の親が朝早く起きて、その子に本当の心の情熱を持って、子どもに30分愛情を注いであげれば、私たちもその中で、貧しい中に、朝出しなに、母親が弁当と弁当の中にご飯とご飯の間へ塩昆布挟まれたり、ふしこをその上へ乗せて、それを持って学校へ通ったという記憶がございますが、決して栄養失調にもなっておりませんし、無事に健康的にきたのが現状であり、どうしても私は、親子の愛情をきっちりと、親としての努めを果たすために、行政は力を注いでもらわなければならないと思う次第であります。  老人社会福祉の問題にいたしましても、私は、田辺市は大変このように利子補給に始まり、建築補助、どの施設へ行っても、恥ずかしいという面は一面もなく、このような社会を、田辺市政をつくっていただきました当局のみなさんに感謝しながら、いつも保健福祉部長などに好き気ままな文句を申し上げるのでございますが、このようなつくりやすい障害の持たれた方がたに、手助けできるこの行政ができ上がった今、私は本当にすばらしい田辺市やないかなと確信するのでございます。どうかそう申しながらでも、まだ年寄りが寂しく140名から待機されてる、その中でまた、その寂しい思いの中で充実できるようお願いいたしまして、市長にますます発展していただきたいと思う次第であります。  また、橋谷交差点にいたしましては、これを申し上げて、例えば今、県の方で文里湾架橋、市も文里湾架橋ということで、問題視されておりますが、その文里湾架橋へ行くまでに、とりあえず繕いを直すということで、橋谷の交差点、また新庄の駅前の方へ向いていく旧道を、できるだけ整備していただきながら、文里湾架橋、また新庄の文里湾の防災をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございます。             (13番 森 哲男君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    以上で、13番 森哲男君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(熊野芳和君)    この場合、午後1時15分まで暫時休憩いたします。               (午後 0時15分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(熊野芳和君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時18分) ○議長(熊野芳和君)    続いて、12番、八山祐三君の登壇を許可します。             (12番 八山祐三君 登壇) ○12番(八山祐三君)    昼食後のちょっと眠たくなる時期ですけれども、頑張って質問していきたいと思います。よろしくご清聴のほどお願い申し上げます。通告に従いまして、一番目から質問するわけでございますが、大体この一番目のは、私は、世界情勢、地球的規模、二番目は、大体日本全体の教育問題、そして三番目が当地方の問題というふうに、一連の流れで通告しております。その中でも、二番目について、主な私の言いたいこととか、あるいは答えに似たようなことは、先ほどの森議員の質問の中で、かなり深く突っ込んでいますので、その点については、重複しないような形で質問したいと思います。  それでは、通告に従いまして一番目から参ります。現代の世界の政治、経済、文化の状況をどう捉えるべきか。市長の予算大綱に表明されたように、世界情勢については、地域、民族紛争が絶えず、核の脅威等、平和の道は遠い中で、インターネットなど、社会全体のボーダレス化が進む一方、予測できない震災、いじめ、金融の破たん等、政治への不信が高まっており、こうした傾向が今後なお拡大される様相が、私は予想されるのではないか。そうしたときに、今日一方、科学者、経済学者、哲学者の多方面から、物質文明の危機をも地球の自然、生命とともに警告されていると。このことは、私が今回の市長の予算大綱が、近年にないというんか、すばらしい名文であったわけでございます。  しかし、そういう現状、世界分析の中で、この動向というものが今後、明るい見通しというふうに立てていいのか。例えば、経済成長がまた成長することができるのか、ないしはますます経済的な、財政的に厳しい状況になってくるのか。市長としましては、大体、第三次長期総合計画を立てていますように、今後とも「慣性の法則」と言いますか、これまでの国家財政、いろんなそういうことの中で、立てていかざるを得ないということで、この当初予算含まれているわけであります。このことは、仕方のないことでございますが、私は、今一度、この現在の国会でなされている住専問題をはじめとする政治、経済課題、そういったことの流れが、非常に危機的な状況にあるんではないか。そして、言わば「地球的規模の環境問題」と言いますか、日本列島の一部と言うんか、北海道以上の面積が、毎年砂漠化になっており、また酸性雨、それからきょうは、雨が降ってますが、ほかの地域では雨が少ない。去年もそうでしたけれども、ことしはより水飢饉が訪れるであろうと。一方、また局部的な洪水、そういった中で、世界の各地に食糧難というものがもたらされるのではないか。  また、いわゆる後進国地域の中で、工業化等が発達して、さらにいわゆる炭酸ガスの放出、地球の温暖化、そういったこととか、ソ連が崩壊して幾つかの国になったように、その各国間で紛争が絶えない。そういったことが、いまだに核戦争の危機というものが去っておらず、中国と台湾の中でもミサイルを打ち込もうかと、そういうふうな様相の中で、非常に地球そのものが危険な状態である。しかも、先ほど言いましたように、金融機関も先週末、アメリカでは数年ぶりの株価の暴落、そういったことがただ単に一国だけではなくて、世界的につながっている。私は、そういう中で、また一方、われわれの社会では高齢化が進み、そしていじめ等、非常に人間の存続そのものが、お金とか知識がたくさんあるだけで、非常に厳しい状況になっていると。この動向というものが、ただならない状況を迎えても不思議じゃない。そういう訴えにあって、私は、この状況を非常に厳しい状況ということを見つめまして、と申しますのは、この田辺地域においても、われわれあと十年、二十年先を見たときに、たくさんの子どもから少ない子どもになってきて、またその大半の子どもが、この地域を離れて仕事に就くと。この地域を支えていく若者というものが、どれだけ残っているのか。われわれ自身が人生八十年という時代の中で、超高齢化あるいはまた、新しい仕事というものが、今後、日本に残るのか。
     今、工業製品なるものは、東南アジア等外国に行ってしまって、言わば経済的構造不況というのがますます高まる、そういう状況の中で、私どもは、もっと現実を真剣に受け止めて政治的、経済的なことを対応する時期が来ているのではないか。いわゆる私は、もうこの共産主義社会というのが崩壊したように、資本主義社会というものも、実質、崩壊に近い状態になっているのではないか。そうした中での、議会制民主主義、われわれのこのシステムそのもの、新たらしい共産主義でもない、社会主義でもない、それを超えるようなパラダイムの構築というものを目指さなくては、今までどおりのいわゆるやり方というものでは、有限の地球と言うんか、この社会の中で自然が崩壊していく、例えば多くの種族が絶命していく、そういう状況の中で、今後、未来永劫に人類が栄えていくというふうなことを考えたら、新しい個人主義じゃなくて、全体の調和と言うんか、生かしていくようなシステムを構築する時期に来てるんではないかと、思うわけでございます。そういった点で、市長の所感をお聞きしたいと思います。  二番目にいきます。学校教育、社会教育の観点から、人間の心豊かに育む施策について、「人はパンのみにて生きるべからず」という言葉がある。このことは、われわれは、これまで人類というものというか、この先進国というのは、とにかく勉強して、仕事に就いて、お金をもうけること。そうすること、「お金があれば、大概のことは叶えられる」という哲学と言うんか、そういう経済学の中で、一生懸命、一億総国民が、国を挙げて明治以来取り組んできた。そういう中で、明治時代は、小学校が義務教育であって、戦後、六、三、三、四制の中で、中学校まで義務教育になり、現在は、義務教育ではないけれども、高校の進学率というのが90パーセントを超えておると、そういうことがずっと今まで、われわれの社会は、物をつくること、またやること、学歴を高めること、そういうことに全力を挙げてきたわけでございます。しかし、このいじめというような子どもないし大人の問題というのが、高校の進学率が90パーセント、頂点に達してから、それから急激に増加したということが、私は1月のPTAの指導者研修会の白浜の会場で、講師さんから聞いたわけでございますけれども、教育者の中には、「現在の教育機関そのものが、いじめを養成する機関となっている」という意見がございました。  すなわち、そういったことを聞くと、このいじめの問題というものは、すべて先ほど森議員が言われましたように、知的教育ということだけを重視していったら、それにあぶれるとか、外れた人、競争の社会から漏れた人、そういった人が当然、いじめようとか、あるいはいじめられるというような形になってくる。だからこの教育システムと言うんか、経済システム、この社会のあり方そのものが、いじめの問題ということを養成しているような形になっているんではないかと。そして、先ほども言いましたように、社会の問題、まあ言わば子どもが親を見ないとか、例えば結婚しない人、あるいは結婚しない親のない子どもができるとか、そういうふうな状況というものが、これまでのいわゆるこの六、三、三、四制という体制が、ある一定の経済成長というものに役に立ったけれども、今日においては、そのことが逆に社会問題をつくり出している。すなわち今、家庭の崩壊、それぞれ一人ひとりが大切になって、一人ひとりは生きることができるけれど、ばらばらな状態、さらに社会そのものが、これまでの日本の社会では、様ざまな職業が、技術者が養成されてきたと。けれども、ほとんどまあ言わば、ブルーカラーというものが志向する人が少なくなって、第三次産業が増えたということは、ホワイトカラーというか、そういうふうなわけで、職業の選択の余地が狭められてきたんじゃないかと。  そういう中で、きのうも田辺市の連合PTAの臨時総会があったわけでございますけれども、なかなかPTAの指導者になるという、なり手がない状態が数年間ずっと田辺市で続いてきてるわけです。そのなり手がないがゆえに、活動も停止、連携プレーというものが、非常に困難を極めていると。夕べも10時過ぎまで会合を開いたわけですけれども、前途多難と思います。ここで少し教育長にお願いしとかないかんというのは、なかなか連Pの会長が決まらないということは、会長校を持つ校長が事務局を持たないかん。それが大変な仕事だという、そのことでとにかく自分ところがならないようにということでやっておる。そういうことが大変PTA活動、また学校教育ということで支障を来している要素があるので、ひとつ真剣に考えてもらいたいなと、そのように思います。  私が、ひとつ質問する前にですね、この経済評論家のPHPというところから出ている船井幸雄さんが、「エゴからエヴァへ」という本を出していると。この方はですね、お金もうけを目的とする、いわゆる企業のコンサル会社の創始、四、五百人ほどの社員を持ってる、そこの会長さんです。その会長さんが、何でこのような「エゴからエヴァへ」という本を出したかと。お金もうけを本来目的とする人が、それは先ほど私が言いましたように、地球上の自然、もしくは経済機構、お金もうけの機構そのものも含めて、大変な状態にあるということを様ざまな学者、哲学者、そのような人から話を聞いて、これほんまかいなと思う中で、しかし、どうやら真剣に考えている人が、たくさん似たような共通項があるということで、何名かのその科学者、哲学者の実態、真実と思われる要素をこの本に幾つか書かれてるわけです。また一度、みなさんの中で読んでいただけたら参考になるかと思いますけれども、今までの教育というのが、自分ばかり個人主義、そのことをしなかったら親に叱られるか、先生に叱られる、そういうことがシステムとして、勉強と言うんか塾に行くと、そういうことをやらないかんけど。しかし、これからは、極端なことを言いますと、この資本主義経済というのが、仮にですね、お金があっても、物は買えても、物はたくさんある。しかし、買えない物は、人の心とかいう物はお金で買えない、そういった物を求めていくときになると。やはり、自らだけのことでなくて、相手のために何とかしてあげたいということを、ずっとギブ・アンド・テイクではなくて、ギブ・アンド・ギブというふうにやっていけば、何とか助かるんじゃないかと、そういう社会を今後、構築していく。そのためには、いわゆる今の子どもから新しいと言うんか、基本的なと言うんか、教育が先ほど森議員も言われてましたように、必要じゃないかと。  しかし、教育長には大変申しわけないんだけれど、私が思いますのはね、今の田辺市の教育委員会とか、六、三、三、四制という、この体制そのものに、私は限界があるんではないか。少なくともですね、あとの三番目でも言いますけれども、ほとんどのわれわれの子どもが、高等学校まで進学する。しかし、田辺市の教育委員会の直接の指導体制というのは、田辺市立何々小学校、中学校までであって、高等学校とか、大学というようなところまでは、教育委員会が直接及ばない。いわゆる県立高校というのが、今、なっておりますので、私はこの政治機構そのものが、個人的な考えですけれども、この地域がほとんど経済活動、時間軸で言えば、一時間以内で動けるところ、移動できるところ、いわゆる高校の通学範囲内、この地域が十か町村で間配られている。だからこの付近が、道路を含めて県がやっていると。それ以上は、また県を越えた大学というのは、文部省の所管になってると。だから、人間の生涯教育というのは、一環して田辺市の教育機関が、直接的に予算、事業というものが携われる状態じゃない。そういった面の機構的な面もございます。  また、公務員体制と言うんか、官がやるということが、すべてをやるということは、効率が悪いとか、いろんな種々の制度というのがございます。そういった意味で、いわゆる審議会、協議会、そういう人選、その他を巡ってですね、大変形式的、またそういうひとつの手順を踏まないかんということで、効率が悪い。そういった意味で、従来からいわゆる保育所の民間移譲、いろんなことが、官でやっていたものを民間とか、そういうとこでやっているように、現実には、例えば田辺市の一部の団体で、花いっぱい運動とか、花つぼみ会とかいうような、これを仮に生活環境課とか、そういうとこでやるとなったら、大変な時間とお金と効率の悪さ、これは自主的な市民団体、そういった人がやれるからやれる、うまくいくわけであって、教育というものを今のただ単なる学校の器の中で、そこだけで先生を入れて教育をするという形だけでは、本当の人間教育ということをするのは、限界があるんではないか。だから教育そのものも、根本的に見直す必要があるんではないかと。  実は、われわれが子どもの頃は、教科書すら手に入らない、お金がないということであって、今の時代は、教科書が無料であるけれども、私は、この教科書無料体制についても、本来はその時期まで、政府文部省から支給されておって、今日のようにお金とか、本屋へ行けば本がたくさん何ぼでもあるという時期が、自分の物は自分のお金で買うとか、そういう物を大切にすると、そういう考えであるとか。また、勉強というものは、本人がやりたければ、幾らでもできる状況である。昔は、したくてもできない状況、したくてもできないときに、学校、国、市町村の力で建てて運営していくという時期があったけれど、この時期的なことが、これまではよかったけれども、これからはやり方そのものが変えていくようなことも必要でないかと思うわけでございます。  そうしたことに続きまして、三番目の地方拠点都市の核としての、田辺市の将来の展望と計画構想について入ります。「21世紀は、地方の時代」と言われますし、事実、真の地方の時代にならなくてはならないと思います。さきの田辺周辺議長会が開催した講演会の中で、この田辺出身の寄本先生も言われていました。「必ずや、この地方都市である田辺市が、この手がつけられていない田辺市が、見直されてくる」と。「その素地を持っている」と申されました。それだけに地方の時代における田辺市のあり方というものを、今、考えなければならないと思うわけでございます。そして、田辺市を核とした、この地域の発展を促すための具体的方策を定め、講じていくことが急がねばならないと思うわけであります。先ほどの市長の予算大綱の中にも、「昨今の複雑多様化する行政ニーズに応え、課題の解決を図るには、従来の市町村の枠組みにとらわれない、広域的な視点と取組みが求められており、田辺周辺広域市町村圏組合においては、新たな地方自治のあり方についての研修や活動を、積極的に展開するとともに、御坊・田辺地方拠点都市地域推進協議会においても、ソフト事業やシンボルプロジェクトの推進に取り組んで参ります」とあります。  先般、広域圏組合委員会で、圏域の今後の維持、発展をにらんで、中央から先生を呼んで話を聞くだけでなく、一歩踏み込んだ取組みが大事であるという議論が、佐武議員はじめそういった面からありました。そのことを受けて、熊野議長の計らいで、広域圏組合議会議員全員、すなわち十市町村の正副議長と佐武議員と私のメンバーによる懇談会を持ち、その席で満場一致によって、地域開発に関する議員懇談会を発足させました。そして、今後、それぞれ腹蔵のない意見を交換しながら、一歩進んだ施策の展開を探っていこうということを決め、この3月末にも第二回目の会合を予定しており、その後も集中的に検討していくことにしているところであります。こうしたことの中で、圏域の兄貴分として自他ともに認める田辺市の役割は、まことに大きなものがあるわけでありますが、その兄貴分であり、核としての風格ある田辺市、地方の時代の主役としての田辺市を目指すために、今後、必要とされている都市としての機能を十分備えるためには、幾多の課題があります。  その課題の一つが、鉄道の海側の区域では、到底キャパシティとして足りないと思われるのであります。既に人口も鉄道の山側が多い状態になっている中で、紀勢線が町を分断している状態が問題になって久しいわけであります。これを根本的に解決する施策が望まれ、公共下水道、都市基盤の整備が大きな課題でありますが、私は、抜本的な土地区画整理事業等、将来を見通した政策構想を考えるべきときではないかと思うわけでございます。なぜ、そう思うかと言うと、田辺市は二十年に至ると思いますが、都市計画決定いろいろやっておりますけれど、なかなか道路計画、いろんな様ざまなことが百年かかるとかと言うんか、夢のようなことを言われて久しいわけでございます。私も大学で都市計画なるものを専攻して参りましたけれども、ヨーロッパにおいては、計画的な都市づくりというものが、例えばフランスのパリ市なんかは、二百年前に都市がつくられて、そのままほとんど建て替えたりなんかすることなく続いてるわけです。  日本というのは、戦争に焼かれ、バラックを建てて、またそれを建て直し、壊して建て替える。そういったことを繰り返すことによって、経済成長というのがなってきたわけでございますが、とくに都市の発展のあり方というのは、日本がいわばほとんどの大きな川口が、沖積平野の中で、そこには水田があって、水田の周りに地上げして家を建てていく、そういうスプロール的な建て方をしてきた。その中で、田辺市においては、江戸時代ですか、田辺城を城下町の中で、いわゆるT路路をつくることが、ひとつのまちづくりの政策としてつくったわけです。そういう都市づくりが、現在の車社会にとって非常に狭隘であって、どうにもならないという、そういう古きものと新しいニーズの中で織り混ぜた形で、都市計画決定されているわけですが、私の思いますのに、会津川の堤防というものがありますけれども、堤防より低いところに、農地を埋めて家を建てたことから、そのような形にならざるを得ないけれども、そういう中で例えば、田辺駅周辺が低くなっている。だから大雨が降ると、ポンプ場でかすって水はけをよくしなければならない。こういうことを形態そのものをですね、本来の都市、近代的都市ということになれば、すべてGLと、グラウンドラインというものは、堤防より高くなければならない。今さらそれをやるということは大変なことだけれども、私は、仮に田辺市政が未来永劫に何百年も続くというふうなことを考えるんであれば、さらにこの紀南十市町村の都市の要であるとするならば、根本的に本当に近代都市のように、いわゆる国道42号線の卸団地のあたりから、扇ケ浜へ向いてずっと地ならしするような、そのようないわゆるまちづくりをつくり替えていくということが、根本的な解決になるんでないか。  そういうことを考えたら、先ほど言いました、鉄道紀勢線が町を分断してる状態を、例えばですね、芳養の明洋団地の入口から紀勢線が曲がっておる。田辺駅から白浜方面は単線であります。この前にも山本議員が言いましたけれども、工業高校の入口でも、そういったことを直すにしても何ともならない。それを根本的にしようと思えば、例えば明洋団地の入口から、この市役所の前を通って、三壺崎から鳥ノ巣をかすめて富田の方に直線で、いわゆる関空に行く橋をかけて鉄道が走ってると、それぐらいの湾岸線なるものをつくって、それからじっくり田辺市全体の長期的な展望に立っての区画整理事業を考えるとか、そのぐらいのことをしないと、この田辺地域が、紀南の全体の核としてなるようには意味が持てないのじゃないか。そういうことは直接、長期構想計画に立てるというんじゃなくて、サブの考え方に立ってやるべきじゃないか、と申しますのは、今日、世界経済が大変厳しい状況の中で、今後とも公共投資ということは非常に厳しい。しかし私は、この状況があまり長く、意味ある方向に続くとは思われない。そのことを解決するには、日本全体がこれまでの発展をしてきた原動力であったけれども、土地の所有制、所有権なるものを、私は土地が国のものであり、自治体のものであるとして、そういうことから、利用権というような形に変えていくべきである。  すなわち、公共工事をするにしても、工事費の十倍も二十倍も、土地の買収費にかかっていると、こういう状態が、このまちづくりを今後阻害している。これは田辺市だけではございません。日本列島そのものが、高速道路にしても大変厳しい状況ということが、このことは将来において、新しいパラダイムが構築されるならば、そういう時期がやってくるんではないかと、そういったときに備えて、絵に描いた餅になるかもわからないけれども、田辺市、この長期構想計画なるものをですね、このままの状態で私は、田辺市の都市計画路線いっぱい描いておっても、これもまあ言ったらお金がないということから、絵に描いた餅になる、現況がね。これ夢のことで、百年先できるとか、そういうことならば、また新しい私はパラダイムを求めたような、何百年たってもこうだという。そうでないと、例えば家を建てるんでも、住みながら家を改築するということは、何倍もの費用がかかる。それだったら別の新しいところに建てて壊したったらずっと早くできる。そういう意味で、私は本当にこの地域が、田辺市がこの紀南のいわゆる質実ともにすばらしい町というんか、そういうことを計画立てていくには、これまでの手法には一定の限界があるんではないかと。  これぐらいで、私の第一回目の質問にいたします。所感をお聞きしたいと思います。             (12番 八山祐三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    12番、八山祐三君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    八山議員から、三点に分けてのご質問いただきました。二点目の問題は、教育長の方からお答えいただくとして、一番目の問題と三番目の問題について、私からお答えをさせていただきたいと思います。通して言われることは、議員の言われることは、「長い将来を展望したまちづくりを考えろ」という一言にして言えば、そういうことであろうと思います。大きな展望を持てということであろうと思います。そういう意味で、議員からご提言いただきましたことについて、十分私ども計画に乗せる、乗せないは別として、そういう長い展望の中で考えていかなければならないものだということは、常に考えるところであります。例えば、ローマの町は、まず下水道からつくられたということを伺いますけれども、もうあの古い以前にそういう形がつくられて、今日もなおそれが、地域の都市基盤の最たるものとして、今日も利用されているという、そういう長い目の考え方というのは、当然必要であろうと思いますけれども、まことに申しわけないんでありますけれども、私は現在の時点の田辺市の市政の当面の問題について、ただいまいただきました問題について、お答えをさせていただきたいと思います。  それで、まず将来予測でありますけれども、現在の世界情勢、それから国内情勢につきましても、非常に流動的でありまして、議員のおっしゃるとおり不透明な問題が多いということは、そのとおりであります。例えば、中東の問題にいたしましても、つい先日まで平和の方向に向いていたのが、一瞬のわずかのテロ活動によって、その方向が変わるという状況でありますし、また国内経済の情勢も、なかなか一方的な方向に向いては行くようには思えないのが現在の状況であります。そして、こうした刻々と変化をする中で、社会の将来を的確に見通すということは、大変なことでございますけれども、申し上げるまでもなく、市政を推進して参ります上での基本は、今のこれからの社会の基本的な動向というものを踏まえながら、長期的な視野に立って、田辺市のこれからの進むべき方向、あるべき姿を見定めた上で計画を策定して、これに基づいて総合的に、そして計画的に事業を進めていくべきものであると考えております。  こうした意味で、ご質問の将来を見通した政策構想に当たるのが、私は昨年来、多くの市民の代表のみなさん、そして市議会のみなさん方のご参加をいただきまして、つくり上げていただいた田辺市の総合計画であると、私はそう考えております。改めて申し上げるまでもございませんが、総合計画は、将来の社会の動向を予測して、田辺市の目指す方向、まちづくりの基本方針を定めたものでございまして、今後、このまちづくりの目標であります、魅力ある新地方都市田辺の創造に向けて、総合的、計画的にまちづくりを進めて参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    教育長、角莊三君。             (教育長 角 莊三君 登壇) ○教育長(角 莊三君)    八山議員ご質問の、人間の心を豊かに育むと。それはどうすればよいかということについて、お答えしたいと思います。議員がおっしゃいますとおり、「人はパンだけで生きてるのではない」という、まさに至言であろうと思うわけであります。第二次大戦中初期でありますが、ドイツ軍によってロンドンが随分爆撃をされたわけであります。その最中に、マイラヘスという女流ピアニストは、定期演奏会をロンドンで開いたわけであります。そして、その会場は満員の聴衆で埋まったわけであります。その様子というものをテープで知って、驚いたわけでありまして、爆撃の音がする中で行われた演奏会、定期演奏会でありますから、その様子というものは、非常に感激的であったわけであります。このようなことは、やはり総合的な文化の力であろうと思います。そのような力をどうやって生むかというのが、これが教育の課題ではないかと考えておるところであります。  そのイギリスにして、青少年問題の権威でありますマースランドという博士が、研究会で日本へ、平成5年でありましたでしょうか、見えたときに、「日本は、まだ家族関係あるいは利己心の蔓延という状態、そういうものが、ヨーロッパの危機的な状態に比べては、ずっと優れておる」と。「これを是非大切にしてもらいたい」と、こういう講演の内容があったわけであります。そういう様子というものから見ますと、これからの教育における重要課題と言いますのは、社会の変化に主体的に対応し、画一的な価値観に基づく弊害や歪みというものを是正するために、学校教育の基盤の上に立って、個々の能力と自発的な意思によって、手段や方法を選択し、生涯を通して学び続ける生涯学習体系への移行を図ることが提起される。その方向で、教育改革も進んでおるところであります。  そういったことから、従来の学校教育への過度の依存を改めて、開かれた学校への転換を促進し、家庭、学校、地域が相互に連携し、それぞれの持つ機能が十分に果たせるよう、環境の整備に努めていくことが必要になって参ります。学校にあっては、多様な価値観や能力や個性が適切に評価され、生涯にわたって、いつ、どこで学んでも、適正に評価される社会を形成していくための資質を伸ばしていく、そういうことが重大な課題になろうと思います。そして、それは現在の社会に、そのことが通念とはなっていないという現実があるわけであります。したがって、教育環境の問題として、私どもも十分そのことを考えなければならないというふうに考えております。  具体的には、様ざまな情報を収集整理して、自分のとるべき態度や生き方というものを自ら選択して、主体的に実践していくことができる力の育成を図る。そして、道徳の授業を中心として、心情を高め、判断力を養い、価値ある行為への意欲と態度を培うことなどによって、総合的に人と自然に対して、人と自然を大切にする豊かな心が育っていくものと考えております。そのために、様ざまな制度についてもご意見をいただきました。ご質問もいただきました。今、第15期の中央教育審議会でも、地域社会の教育の機能分担、そういった事柄を中心に、21世紀を臨む教育のあり方が、様ざまに審議されておるうちに、学校制度の問題、つまり六、三、三、四の分け方がそれでいいのか、なお、改善の余地があるのかということも含めて、検討がされているところであります。今後もこのような考え方に立って、議員が言われるとおり、個性というものを伸ばしていく社会、生かしていく社会、そういう環境を整えつつ、そういう人材を育てていくということのために、教育活動の活性化を図るべく努力して参りたいと思っております。  以上であります。             (教育長 角 莊三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    12番、八山祐三君。             (12番 八山祐三君 登壇) ○12番(八山祐三君)    私の質問、また考えていることというのは、現在のこの政治機構、いろんなことの中では、市長並びに教育長の限界がおのずとあろうと思います。しかし、その限界をチャレンジすると、そういう意気込みを持っていただきたいわけでございます。私の思いますのに、やっぱり市長並びに教育長たるものは、やっぱり困難に立ち勝てる、その打開策を練っていく仕掛け人でなかったらいかんと思うわけでございます。ともすれば、私どもが質問なんかしようともすると、質問がない方がいいとか、答弁もあんまり要らんように、提言だけしてくれと、そういうことじゃなくて、市長の部下である部課長たるものは、新しいことに何かをしようと思ったら、「議員さん、こういったことに質問してくれたら、私はこうやりたいんやというような前向きなことに取り組む」と、そのぐらいの意欲を持つ部課長に育ててあげてほしいと思うわけでございます。  さらに、先ほども教育長にお願いしたわけでございますが、連Pの事務局についてもですね、なかなか私は断る理由は、「仕事が増えるから断る」、そういうことによって、その事務局に当たった会長校の校長は事務局受けない。これ「大変」だと言って、たらい回しで逃げようとばっかりで、仕方なしにつくっていると、こういうことが形骸化してる。幾ら教育長が美辞麗句、いろんなことをかっこよく答弁してもですね、現実にはなかなか伴わないと。機構そのものがマンネリ化、硬直化、動脈硬化を来している、そういう傾向になっていかざるを得ない。何でも制度というものが長く続けばそうなると。しかし、時代はますますというか、状況というものが変わりつつある。そのことに着実に対応していけるようなシステムというのが、不断に行財政改革というか、不断に新しく切り替えていくと、そういう努力が肝心かと思うわけでございます。  最後になりましたけれども、教育委員会とか市長のそういうことではなくて、民間で頑張っている行動についてのご紹介をしておきたいと思います。4月7日、8日の入学式、小・中学校入学式の前日の第一回日曜日に、花祭りというものが、花いっぱいの運動市民のみなさんのチームワーク、そういうことによって行事、催されております。例年800人ぐらいの市民の参加、また私が先ほど紹介した本の一部の中に、今、生ゴミとかいろんなことを無農薬、また自然の農薬を使わない栽培、そういったことに取り組んでいる琉球大学の比嘉照夫さんという方が、5月12日、日曜日に田辺市に来て、一応、文化会館申し込んでおるけれども、たまたま田辺中学、女学校の同窓会と重なっているので、ひょっとしたらおそらく高雄中学校辺しになるんじゃないかと。文館小ホールで400人しか入らない。1,000人ぐらい呼ぶ、この地域の人が集まると、そういう予定されております。  さらにまた、経済的、文化的、いろんなことが世の中様ざま変わっていく中で、二、三年前にもありましたけれども、ふるさとキャラバンの公演ということで、5月27日に「裸になったサラリーマン」という演劇が文館で行われる予定になっています。「物はお金で買えるけれども、心はお金で買えない」、そういったことを祈念して、みなさんがより田辺市、この地域、私は世界最大のいい意味のいなかである、これがいつまでも明るく、たくましくなるようなことを願いまして、私の一般質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。             (12番 八山祐三君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    以上で、12番 八山祐三君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(熊野芳和君)    この場合、2時半まで暫時休憩いたします。               (午後 2時13分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(熊野芳和君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時33分) ○議長(熊野芳和君)    続いて、9番、松本定市君の登壇を許可します。              (9番 松本定市君 登壇) ○9番(松本定市君)    大変お疲れのことであろうかと思いますが、90分の予定をしております。どうか最後までお付き合いをよろしくお願い申し上げます。質問前に、議長から許可を得まして、私事で恐縮でございますが、ひとことお詫びと御礼を申し上げたいと思います。私、昨年の12月2日に健康を害しまして、病院に入院をする事態を起こしまして、議員として最も大切なる12月定例議会を欠席いたしました。このことにつきまして、市民の皆さま方をはじめ市当局並びに議会の皆さま方に対し、深くお詫びを申し上げます。また、入院の際に、各位から励ましをいただき、またお見舞いも頂戴いたしましたこと、心より厚く御礼を申し上げます。おかげで健康を取り戻しまして、今後は、健康に十分留意をしながら、一生懸命、議員としての務めを果たしていきたい、かように思っております。どうか今後ともよろしくご指導をお願い申し上げます。ありがとうございました。  今回、私は大別して三点の質問をさせていただくことになっております。一番目に、西口和歌山県知事に期待する田辺市の行政課題とはということでございますが、この問題は、ただいま先に質問されました八山議員の三番目の項目に、大いに重なる点があろうかと思います。二つ目に、田辺市の環境対策についてということでございます。三つ目に、三四六の清掃事業所におけるいろいろな抱える問題いうことで、お尋ねをして参りたいと、かように思います。  まず最初に、西口知事に期待する市の行政課題ということにつきまして、お尋ねをして参ります。昨年、秋の和歌山県知事選挙において、「変革と発展」をスローガンに当選をなされました西口勇新知事に、田辺市民は、大いなる期待を寄せていることでございます。田辺市の知事選における、投票者の75パーセントによる支持率から見ましても、その期待度は、明白に出ているものと考えます。知事は、「紀南に若者の集う国際文化リゾート都市を必ずつくります」と言及されておりまして、また、紀南の発展は、海洋と緑と、歴史文化など、比類なく恵まれた資源の活用にあり、知事自身、私の使命として、「これらをバネに産業文化、賑わいの都市機能を充実させ、魅力ある中核都市をつくることだ」と公約をされて参りました。  そこで、知事の公約でありますところの136か条による政策と、田辺市が策定をいたしました第三次総合計画との整合性がどこにあるのかを探りながら、また県のプロジェクトに対しまして、対応できる受皿的な対策はどうなのかということを質問を行って参りたいと思います。一番、二番の項目につきましては、重なって参ると思いますので、ひとつ一括でお考えをいただきたいと、かように思います。まず、136の政策の三大プロジェクトの中に、「紀南地域に未来型海洋都市南紀マリンシティを建設」とありますが、これは知事としては、紀南の、おけるリーダー的役割を持つ田辺を指しておられるのではなかろうかと、私は考えますが、当局においては、どのように受け止めておられるのか。また、本気で紀南を考えると題しまして、西口知事の新時代ビジョンの中では若者に魅力ある県立大学構想を打ち出しておるわけでございます。この中に福祉、保健短期大学も含まれておることであります。  そこで、生駒前市長が、田辺を学研都市にと真剣に考えられておられたことを、私は思い出すのでありますが、知事は、「21世紀を迎える、この5年間のうちに実現化する」とはっきりとおっしゃっておられるわけでございます。田辺市において具体的な誘致、また受入れとするべき対策があるのかどうか、当局の見解を求めて参りたいと思うところであります。さらには、知事の交通ネットワークの整備政策は、田辺市の第三次総合整備計画の中で、共通点として私は認識をするのでありますが、県の湾岸高速道路計画、また中央縦貫道路の建設や太平洋新国土軸、紀の国環状リゾートハイウェイ計画などは、御坊からこの田辺広域圏のいわゆる地方拠点都市整備計画と併せて、早期実現化を目指した施策でありまして、田辺市にとっては、地域活性化のまたとないチャンスであろうかと思います。  これら県の施策に対しまして、高速道路、田辺バイパスの促進等をはじめ、市内のアクセス道路の新設並びに道路改良計画は、当然生まれてくるものと考えられますが、私は、以前から質問いたしました中で、県道の改良を幾たびか訴えて参りました。この機会に、市内における県道、市道の中で、今後の田辺市にとって重要路線と考えられる点、また早急に改良を必要とすべき路線について、交通網の整備に対する見解を求めて参りたいと思います。県の平成8年度予算案の中で、ふるさと道路整備事業といたしまして、31億1,000万円が計上されております。その中に、田辺印南線というものが含まれておりますが、いずれこの路線が完成のあかつきとなった場合、田辺に到達いたしましたその後は、この路線の活用に対して、どのようにお考えになられておられるのか。また、田辺市内を通過点とする、近隣町村との連携を検討されておられるのか、その辺もお伺いをいたしたいと思います。  私は、市内の中山間地域の現状における、現在の現況を考えるとき、均衡ある市土の発展という意味におきまして、このふるさと道路整備事業に期待する中山間地域の住民の切なる願いが込められていると思うからでございます。本年の2月10日、田辺市における西口知事の後援会、役員会総会の席上で、知事は、「100万県民の公平性の上に立って、施策を行なわなければならない」ということを強調されておられました。これは当然のことと、私も受け止めながら、西口知事は一年間にわたりまして、県内を歩かれ、実情を理解された上での136政策であっただろうと思います。田辺市といたしまして、県政との連携を密にした政策実現化を期待をし、投票された多くの市民に対して、田辺市の当局としての見解を求めたいと思います。  二番目の問題といたしまして、田辺市の環境対策についてでございます。田辺市の中心を流れる会津川は、自然を代表する田辺市の一方の顔であり、また自然と共生する都市環境をつくり上げていくにも、会津川の存在を重視しながら、保全対策を講じなければならないことは、これは今もって申すまでもございません。私が小学生の頃の会津川は、現在も三栖小学校の校歌として歌われておりますが、「前は三栖川、水清く、しりえは衣笠、山緑」という節がございます。すばらしい川であったことを、今改めて思い出すのでありますが、しかしながら、現在の会津川には、セイタカ草が生い茂り、堆積された土砂の山でございます。そして、水の汚れは、五十年前と隔世の感じがするわけでございます。学説によりますと、河川の浄化は、すべて原生動物の、また植物も入りますが、微生物がその役目を受け持つこととなっております。会津川においても、その自然界の浄化に関する営みは、変わりなく行われておりまして、そしてそれは田辺湾河口まで及んでおるわけでございます。「田辺の顔」とも言うべき会津川をよみがえらせる意味においても、自然の持つ生態系を破壊することは、とりもなおさずわれわれの生活環境の破壊にまでつながってくる問題であると言わざるを得ません。  田辺市が誇りうる自然とは、天然の良港を抱える田辺湾であり、それに注ぐ会津川であることは、これはまた万人の認めるところでもあろうかと思います。また、それは幾多の魚類、それらの産卵、そして外洋に出ていくまでの成長を育む田辺湾というものは、母なる湾であるということでございます。その田辺湾や会津川が、人間社会が排出する、あらゆる公害を一手に引き受けている、この様相を見まするときに、心ある者は忸怩たる思いを抱くのではなかろうと、私はそういうふうに思っております。会津川の管理権は、県当局にあることは、これは当然承知をしておりますが、田辺市が取り組める保全対策として、どのように考えておられるのか、当局に四点ばかりに分けてお尋ねをして参りたいと、かように思います。  まず最初に、上流対策の一環として、以前にもこれは質問をしてきたわけでありますが、水源地涵養保安林を田辺市の市有林として保有するお考えはあるのか、ないのか。また、田辺市の保有する十津川並びに龍神の山林は、私は財産的な存在でありまして、公益的機能を果たせる活用面において、交換分合など有効的に利用されるお考えはあるのか、ないのか。二つ目に、会津川の保全を第三次総合整備計画の中で、どのように認識をされ、押さえられておるのかと。あれば具体的にお答えをいただければありがたいと思います。三つ目に、今、この会津川の沿線には、それぞれ多くの住宅があり、またこの沿線に沿って工場もできております。それらの排水に対する追跡調査は、行われているのかどうか。また、産業排水の会津川に流れ込んでいる部分につきまして、今、皆さまご承知のように、三栖の企業団地には、秋津谷、それから三栖谷には大きな施設を有する梅の加工場ができております。また、この中には、混ざって自動車整備工場とかいろいろあるわけですが、それぞれの処理施設をみなさんが、大変なお金を投じて保全をされておるようでありますけれども、現況ではどうなのか。また、一般農家における梅酢の対策処理は、どういうふうに行われているのかを、当局としてお考えておられることがあれば、ひとつお尋ねをしたいと思います。  そして、四つ目に、ふるさとの川創生事業で、今、60億円をかけて会津川が整備されておるわけでありますが、この工事についてでございます。この3月、4月にかけては、いわゆるアユやウナギの稚魚が孵化を目指して遡上するわけでございます。こうした期間の中において、今、現在まだ工事も進行中でありますが、川の水を濁すことによって、その遡上を妨げてはないのか、そういうことの中から、工事期間をそれらに照準を合わせた工事期間を定めていっていただく、こうしたひとつの田辺市からのいわゆる対策というものがなされているのかどうか。そういう四点について、基本的な考え方をお答えいただきたいと思います。  今、世界的に環境というものが重視されている中で、わが日本国内におきましては、さきには水俣病に代表されるところの環境汚染による被害、また近くでは長良川堰に対する紛争、また私たち県内におきましては、先日の梅の衰弱症に関しまして、お二人が大変熱心なご質問をされた、いわゆる大気汚染が心配されるところの、御坊の火電の問題が目の前にあるわけでございます。田辺市では、昨年より生活環境課が発足をいたしまして、また事業面においても、農業集落排水の取組みなど評価すべきところでありますが、さきに述べましたように、会津川の自然界の調査を行うだけでも、大変な業務となって参るところでございます。さらに、その上に公害監視や生活排水浄化対策、今、申し上げました大気汚染の調査などを加えて参ると、それは大変な業務となって参るわけでございます。  先日、11日、12日、みなさん新聞でご承知だろうと思いますが、環境庁が直接にこの梅衰弱症の原因調査のために、県を伴って現地調査を着手するなど、環境問題は既に私たち住民生活を脅かす存在になって参りました。そこで、私は環境対策の強化の意味から、他の市町村に先駆けて、田辺市環境部を発足させ、それぞれの各部局との連携を図りながら、一つの専門部として機能を果たすべきと考えておりますが、当局としての見解は、いかがなるものでございましょうか、お伺いをいたしたいと思います。また、田辺市では、県条例によるところの和歌山県公害防止条例、これに依存しているようでありますが、今後は、田辺市会津川保全条例並びに田辺市公害防止条例というものを策定するお考えはありやなしや、ご所見をお願いいたしたいと思います。  続いて、三番目の三四六清掃事業所における諸問題についてのことでございます。みなさんご覧になられたと思うんですが、先月の2月16日付で、紀伊民報の読者の欄で報道されたことでございます。市内の主婦の声を要約いたしてみますと、「町内会で話し合いをして、分別収集の必要性を理解し、指定袋を買ってまで、分別努力をしているのに、三四六の埋立場にはプラスチックや段ボールが散乱されておる。埋立場を長持ちさせるには、指導者をおいて管理すべし」と指摘されている点でございます。いわゆる目的はよいけれども、行政の最終責任が果たされていないのではないかとの意見であろうかと思います。私は、その後、幾たびか三四六の現場に行って、現況を見ながら話を聞く中で感じられたことは、一般家庭から出されてくる四分別に分けられたゴミでございますが、その埋立ゴミの中身と事業系から出てこられる中身に、かなりの格差があるということ。すなわちこれは業者が、また田辺市の一般の職員さんが収集、職員が行って集める以前の問題、それは分別意識の問題じゃなかろうかということが一つ。また、事業系投入業者と市職の現場の職員との協力姿勢が、問題はないかという疑問が一つ。さらには、管理責任を持つところの清掃事業所事務所と現場作業員、また民間投入業者のみなさん方とのコミュニケーションが図られているかどうかということでございます。最終処分場における管理体制について、当局の見解をただして参りたいと思います。  次に、作業におけるところの職員のみなさんのいわゆる健康管理でございます。プラスチックの減容作業場というところに行って参りました。ここは、大変高温多湿な状況のもとでの作業でありました。180度の高温ですね、形を縮小するための熱で軟らかくしてるということであります。その溶けたプラスチックや発泡スチロール類から出てくるところの特有の臭いやガスが発生する中での作業でございますから、とくに一日の作業の終了と同時に、あしたの作業を考えまして、機械の掃除、後始末をやっているところを見せていただきました。私が見学したことは、掃除作業を見学させてもらったことの感想からしますと、5メートルぐらいの高さに筒状のようになった破砕された、また溶かされたプラスチック類を押し出してくるプロペラ状になった、いわゆるらせん状になったプロペラのようなもの、どう表現していいのかわかりませんが、これで押し出してきてるわけです。その押し出してくるプロペラのてっぺんに溶けたプラスチック類がこびりついているということをご想像いただきたいと思います。それは、冷えると落ちにくいということでありまして、常に50度から80度の温度を保ちながらの作業をしなければ、でき得ない作業だということでございました。私も中に入ってみましたところ、まず熱い、それからガスの臭いと、何かしら目が大変しみるということ。それにまことに狭いところでの作業でありますから、使う道具も危険性は出てくるんじゃなかろうかということでございます。大体、その掃除をし終えるのに四、五人かかりまして、3時間かかるということでございました。  また、この作業室には、いわゆる「換気扇がない」と、彼らは言っておるわけでございます。これから先、大変暑くなる季節を迎える折、現在の作業状況の中から、職員の健康管理上に問題があるのではないかということを考えたところでございます。この減容機を設置する際に、このような手作業が必要であるということの認識をされていたのかどうか。また、彼らの作業を終えるまでのいわゆる防具面、マスクは支給されておりましたが、目に当てる防具面とでも言いましょうか、そうしたものの配慮がなされているのかどうか、当局のお考えを聞きたいと思います。  次に、今、駅前の四町内会で行われております、田辺駅前美化推進協議会の行っておられる民間業者との委託の問題であります。先ほども申し上げましたが、何も私は、業者の方が悪いとか、責任があるとか言ってはおりません。業者の方は、知らずに全部集めてくるのだろうと思いますが、ここに一つの問題がないかということで、お尋ねして参ります。「田辺の顔」と言うべき駅前をきれいにしていこうという、この町内会のみなさんの精神と、またそれに携わっておられる役員さんの大変なる並み並みならぬ努力というものには、大いなる敬意を払うところでありますが、お話に聞くうちに、「四分別を徹底化していくということは、並大抵の努力ではでき得ない、難しい問題だ」ということをおっしゃっておりました。ご承知のように、駅前の周辺は、飲食店関係が大変多くありまして、そのほかにもテナント、いわゆるゴミの排出は、出てくるのは深夜から早朝にかけて出てくるという、収集される方がたのご苦労もここで思うわけでありますが、この駅前の民間事業者の方が扱われるのは、いまだもって黒いビニール袋でございます。そういうことでありまして、中に何が入っているのか、これは分別がしにくいということでございます。そうしたことから、「人間の心」と言いますか、そこらあたりの問題になると思うんですが、いわゆるそこの時点において、プラスチックが入り、あるいは段ボールが入ることも、僕はあるんじゃなかろうか、そういうふうに推察をしてきたところでございます。  こういうことで、前段で述べましたように、この種の袋が最終処分地に回っているということを考えまして、排出者の分別というものに対する指導、どのようになされているのか、当局の見解をお聞きしたいと思います。私は、一週間ばかりの最終処分場の視察見学をさせていただきましたが、まことにすばらしい施設の完成に、拍手を贈りたい。それとともにここまでもってこられた当局のご苦労を考えますときに、今後は、運用面における問題が、また新たに生まれてくるんじゃなかろうかということを考えるわけです。焼却炉の延命策、また埋立地の延命策、また埋立地の跡地、これは必ず跡地が整備されて、何かの目的で使用されると思います。そういうことのためになるように、この埋立ての土地が、後で後遺症を残すことのないような分別をされるところ、やはり必要性があるんじゃなかろうかということを考えまして、本年4月より新施設の操業開始に当たり、これらの諸もろの管理運用等についても、ご答弁をいただければありがたいと思います。  最後に、昨年の10月1日から指定袋が実施をされております。これが約半年間たった現在、減量化されたのか。また、分別の成果がどのように上がってきたのか、この辺をひとつお知らせいただければありがたいかと思います。  一回目の質問を終わります。              (9番 松本定市君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    9番、松本定市君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    松本議員から、三点にわたってのご質問をいただきました。一点目の問題について、私からお答えをいたしまして、あと担当の部長からお答えをいたしたいと思います。  まず、最初の問題のこの西口和歌山県知事の誕生に伴う、それに期待する田辺市の行政課題はということで、知事公約の136の政策と田辺市の第三次総合計画との整合性、それから、今後の県のプロジェクトに対して、田辺市の受皿体制というものは十分できるのか、こういった観点からのご質問であります。まず、最初の問題でございますけれども、私は、地域の発展というものは、まずそこに住む人が、自分たちの町の歴史や特色を理解して、その置かれた状況や課題を認識した上で、将来のこの町はどうあるべきかということについて真剣に考え、自分たちの手で誇りと愛着を持って、ふさわしいまちづくりをつくり上げていくという、自助努力が最も基本的な問題であろうと思っております。時代の潮流変化に目を転じましても、経済、社会の成熟化、それから国際化、情報化の進展とか、価値観、意識の多様化とともに、従来の画一化、集中化の方向が個性化、分散化の方向へと変わってきておりまして、また行政機能の一極集中による弊害などから、地方分権推進の気運も本格的に高まってきているところであります。  そのような中にありまして、これからのまちづくり、地域づくりというのは、そこに住む住民と行政の主体性、自主性というものが、何よりも求められるのでありまして、そうでなければ、本当の意味でのまちづくり、あるいは地方分権ということにもつながらないと思います。今後、十年間の田辺市のまちづくりの基本となります、第三次田辺市総合計画は、そういった状況を踏まえて、田辺市の持つ特色を最大限に生かしたまちづくりを進めることを目標に、つくり上げたものでございます。さらに申し上げますと、現在、国土庁において策定しております、平成22年を目標年次とする、新しい全国総合開発計画の基本的な考え方が、過日、公表されましたが、その中にも地域の個性、多様性を伸ばしながら、様ざまな課題の達成を図るためには、地域の選択と責任による施策の実施が不可欠であり、地域の自立を促進することが基本的に重要であるということが、戦略的政策課題として掲げられております。  議員のお話にございました、西口知事の136政策につきましては、その公約が実際の施策に、どのように具現化されていくかということが、まさに問われているわけでございます。ときあたかも、県におかれましては、第五次の和歌山県の長期総合計画が策定されているところでございます。この計画につきましては、平成22年度までの本県のグランドデザインを示すものでありまして、当然、知事の136政策を踏まえたものとなると私は確信をいたしております。その中へ、私どももこの田辺市の地域の将来展望と、それらを実現するための具体的な施策が、いかに位置付けされるかということが重要なポイントになってくると思います。このことを田辺市の浮揚のチャンスととらえて、今後、田辺市が目指すまちづくりを実現するために、県あるいは国といった機関の力を効率よく、かつタイムリーに引き出していく、あるいはご支援をいただいているところからは、ご支援をいただくという積極的な姿勢で、地域の特色や状況に基づいた説得力のある提言や要請、そしてそのための県との協議、調整を綿密に積み重ねて参る方針であります。  そこで、議員からご指摘いただきました件について、少し考え方を申し述べたいと思います。まず、道路網についてでありますが、議員もご承知のように、道路網は異なった性格、あるいは目的を持った道路で構成されておりまして、それらが地域の実情や地理的条件を踏まえ、有機的かつ効率的に道路網として構築されたとき、はじめて地域の活性化、あるいは利便性の向上という形になって現れるのだと思います。そのような考え方に立って、まず当地域と国土軸を直結する高速自動車道の整備促進を進めているところでございますが、その幹線道路の受皿としての県道などの地域間道路の整備や都市計画道路、それから市道といった市民の生活や田辺市を訪れる周辺住民の方がたの利便性を高めるための、生活道路とのリンクが重要であります。このために、こうした高速道路の整備やモータリゼーションの進行に対応した、県道を主体とした地域間道路及び都市計画道路等のあり方について、現在、県との協議を重ねながら、見直しの作業に取り組んでいるところでございます。  次に、高等教育機関の誘致につきましては、地域づくりの上で重要なものと認識しておりますが、ご承知のとおり、少子化等による学生数の減少などにより、既存の大学も「今後の経営については、大変厳しい状況にある」と聞き及んでおりまして、過去の大学の地方誘致の状況を見ましても、例えば姫路市が誘致した獨協大学につきましては、「周辺整備あるいは用地の提供等に、約200億円の費用がかかった」と聞いております。そのような難しい問題を踏まえ、本市への立地の可能性等につきましては、関係機関との連携を図りながら、本市の立地条件や様ざまな資源、特色を活用できる専門的な大学などについて、今後も研究を続けて参りたいと考えております。また、こうした中長期的な取組みと併せて、すぐに始められる地道な取組みとして、優秀な人材との連携と地域の人材育成を目的に、既に田辺市の情報交流サロンを試験的に開設し、大学や研究センターとの人的な交流ネットワークづくりに取り組んでいるところでございます。いずれにいたしましても、現在の厳しく、かつ先行き不透明な社会情勢の中で、田辺市が自立発展していくためには、本市の持つ特性を生かし、田辺市自らの創意と工夫を基軸に、いかに他都市にない魅力をつくるかという都市戦略と、広域的連携をもとにしたまちづくりを進めていくということが重要であります。国、県との関係を密にしながら、市民の皆さまと一体となって、魅力ある新地方都市、田辺の創造という、まちづくりの目標を実現するために努力して参る所存でございます。  それから、具体的にご質問いただきました、谷々の県道あるいは中山間地の道路網でございますけれども、私は秋津谷、三栖谷、それから芳養谷のこの県道の三線は、田辺市を南北につなぐ重要な幹線でありますし、またこの三線を奥地で横につなぐ道路は、是非実現をしていかなければならない重要な課題だと考えております。この中山間の道路につきましては、田辺御坊地方拠点都市構想計画の中にも位置付けておりますけれども、今後、これの実現に向けて、一歩、一歩努力を積み上げて参りたいと思いますので、よろしくご協力のほどお願い申し上げます。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    市民部長、辻本宏君。             (市民部長 辻本 宏君 登壇) ○市民部長(辻本 宏君)    松本議員から、田辺市の環境対策について、幾つかのご質問をいただきました。ご答弁が前後するかもわかりませんけれども、お答えいたします。環境問題につきましては、今や地域の問題にとどまらず、地球規模という広い視野に立ったものになってきております。地球温暖化や酸性雨の発生、オゾン層の破壊などが問題となってきております。国では、環境の保全に対する施策の総合的、計画的推進、国民の健康で文化的な生活の確保、人類の福祉への貢献といった、一歩進んだ環境保全に関する施策を打ち出し、平成5年11月には、環境基本法が制定されました。県においては、一つは、すべて県民は健康で、快適な生活環境を保障されなければならない。二つには、すべて県民は、他人の健康と生活環境を侵してはならない。三つ目に、事業者、県、市町村及び県民は一体となって、公害の防止に邁進しなければならないと、こういう三つの原則を宣言しておりまして、人の健康又は生活環境に係る被害防止の実現を期すため、和歌山県公害防止条例が、昭和46年に制定されております。  その後、環境基本法の制定に基づき、平成6年に県の公害防止条例が一部改正が行われ、内容の充実を行っているところでございます。議員ご承知のとおり、この条例で定める七公害のうち、騒音と振動については、市長が県知事から委任を受けておりますが、他の分野、大気の汚染とか、水質の汚濁、土壌の汚染、地盤の沈下及び悪臭については、県知事の権限となっておりますので、先ほどご提言いただきました会津川保全条例とか、市の公害防止条例などにつきましては、今後の課題として受け止めさせていただき、当面は、県環境公害関係条例及び同規則にのっとり、関係機関、団体と連携をとり、市民が安心して暮らせるまちづくりを目指し、環境問題に取り組んで参りたいと考えております。  それから、環境の部制のお話がございました。このことにつきましては、議員ご承知のとおり、環境保全対策は、各部にわたる大変広範囲な問題でありまして、一部署だけで対応していくものではないと、こう考えているところでございます。生活環境課の現体制では、十分とは言えませんが、田辺市が取り組まなければならないことにつきましては、一応対応できていると考えております。とくに、環境問題に最も身近な問題であります、水質保全、とりわけ生活排水の浄化対策につきましては、平成2年に総合的かつ計画的に推進するため、各部局の連絡調整会議を発足し、水処理について協議及び調整を行ってきてるところでございます。また、環境行政は守りではなく、どちらかと言ったら、前向きな攻めの行政をしなければよくならないと考えているところでございまして、そのためには市民の意識、行動等を促すための教育啓発の充実が重要と考えています。この面で、積極的に取り組んでいきたいと考えてるところでございます。今後の環境問題を考えますと、議員ご指摘のように、調整機能を持つ専門部の考えも必要になってくると思われますので、今後の課題とさせていただいて、環境行政のご協力をお願い申し上げる次第でございます。  それから、会津川沿線の排水の追跡調査というお話がございました。水質に係る特定施設についての許認可、これは工場等ですけれども、議員ご承知のとおり、県知事権限の範囲でございまして、水質汚濁防止法の定めるその規模は、一日当たりの平均的な排出量が50立方メートルであるものとすると定められておりまして、その排出基準は、同法により厳しく規制されてるところでございます。水処理施設そのものの水質の管理については、和歌山県公害防止条例により、事業者の責任ということで定めており、知事が指名する職員の立入検査によって、水質に係る書類、その他資料の提出を求められた場合は、事業者は提示しなければならないと、こうなっております。当該特定施設につきましては、県において無作為に選定し、水質等の検査を実施しております。また、市においても、主な特定施設を年間12か所、27回、水質汚濁防止法に指定されている物質で、人の健康の保護に関する項目、例えばカドミウム及びその化合物、シアン化合物、有機リン化合物、砒素及び水銀等の23項目を含めた190検体を検査しております。その結果はいずれも、これはあくまで人の健康の保護に関する項目でございますけれども、基準値以下になっております。  問題は、一日当たり平均排出量50トン以下を排出する事業所についてどうするかということが、大きな問題であると思うんですけれども、これは法的基準がありませんが、事業者が原因となる水質汚濁を防止するため、県との連携のもと、事業者の理解が深まるよう啓発を行うとともに、環境基準の遵守徹底に努めてるところでございます。それから、三四六清掃事業所における諸問題についてということで、幾つかご質問いただきました。順を追ってご答弁いたします。最終処分場に、投書を挙げてご質問をいただきました。最終処分場における管理体制については、従来から埋立地の整地をする職員が、搬入者のゴミの分別等の指導を行ってきてるところでありますが、これは受付窓口でも分別の徹底をお願いしてきているところですが、この現場職員は、他の業務と兼務していますので、十分な指導ができてないというのは事実であります。現在、工事中の最終処分場には、これはいいか悪いか別なんですけれども、テレビカメラを設置して、その搬入の状況を監視することにしていますが、それとともに搬入するすべての方に、分別等の指導を窓口でも徹底を図っていきたいと考えております。コミュニケーション等、これは民間の搬入される業者さん方、それから職員との関係、また事務所と現場職員とのコミュニケーションとか、いろいろご意見いただきましたことにつきましては、十分心して努めていきたいと思います。  職員の健康管理についてでありますけれども、とくに一つの例をプラスチック減容機に従事する職員の健康管理のご質問をいただきました。現在は、新しいプラスチック減容機も新しい焼却施設も、試運転中であります。本格的な運転をする4月までに、もうあとわずかでありますけれども、いろいろご指摘いただきました諸問題をチェックして、従事する職員の健康管理等について十分注意をして、万全を期したいと考えてるところでございます。  それから、お話の中に、こういう手作業どうこうの認識してあったかというようなことございましたけれども、念のために、減容機については、田辺市は現在の既設の減容機を設置したときにもいろいろ調査を行いました。今回も、このプラスチック減容機を設置する上では、先進市が、この近くでは彦根市なんかもあるわけなんですけれども、それらの状況を調査いたしておりますし、それの作業状況なんか十分に参考にしたいと考えているところでございます。保守点検とか、清掃点検というのは、これはどうしても手作業で行わなければならないものでございまして、とにかく安全で、そして職員の健康管理に十分気をつけて取り組んでいきたいと、こう考えております。  それから、駅前地区を収集している民間業者の指導と、排出者の分別指導についてでありますが、田辺市の玄関である駅前地区をきれいにするということで、駅前地区四町が、田辺駅前周辺美化推進協議会を設置され、当協議会が民間業者と契約されて、毎日収集して、ゴミのない悪臭のしないまちづくりという趣旨のもとで、取り組んできておられますが、町内会長さんはじめ、役員さんのご労苦に本当に感謝を申し上げる次第です。当地域は、約80パーセントが店舗でありまして、大半が自己処理が原則である事業系ゴミであります。当地域には、民間業者と既に今までにも個人契約をして、収集委託している店舗もありますが、四町が組織化して、民間業者に収集を委託することは、初めてのケースであります。市としては、店舗、事業所が約80パーセントの地域については、ほとんどが事業系ゴミでありますので、このような形で取り組んでいただければと望んでるところであります。  ご質問の分別についてでありますが、従来から当地域は、飲食店街でございまして、ゴミの出し方には気になるところがあります。排出者に対してゴミの出し方、分別の仕方等の啓発、チラシの配布を行ってきているところであります。とくに、当地域用のゴミカレンダーを協議会独自でつくり、各店舗に配布し、徹底をされてます。また、市としましても、今後ともチラシの配布で分別を行っていくつもりでございます。業者指導につきましては、市の許可業者でありますので、市の収集車と同様の四分別収集の徹底を指導、監督しているところであります。  それから、新焼却施設、最終処分場の本格運転も来月4月からでありますが、総工事費七十億円余りを投入しての施設でありますので、当然のことでありますが、職員一丸となって管理運営に取組み、また運転管理業者と連携を取り、機械の保守点検の徹底、そしてまた一方、市民、事業者のみなさんには、さらにゴミの分別とリサイクル化の周知徹底をお願いして、新施設の延命化に努めたいと考えているところでございます。  最後に、ゴミ指定袋の導入による成果という、どんなもんかというご質問がございました。現在のところは、ゴミ減量は、約20パーセント減量されてます。また一方、古紙とか資源ゴミの回収の方が高まりまして、リサイクル化が進んで、約50パーセント余りがリサイクル化の方が増えているという現状ですが、本当の成果は、やっぱり一年前後たった時点でなければと思います。四か月の数字を出してますけれども、この12月、1月は、多量なゴミが多いし、その中での昨年との比較でございますので、その点また機会あるごとに報告をしていきたいと思います。よろしくお願いします。             (市民部長 辻本 宏君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    農林水産部長。田中秀章君。            (農林水産部長 田中秀章君 登壇) ○農林水産部長(田中秀章君)    私の方から、会津川保全対策について二点、ご質問いただいております。お答えしたいと思います。まず、一点目の上流対策の一環として、水源涵養保安林を市有林として保有する考えはないかというご質問でございますが、会津川につきましては、川の延長と流域面積が小さく、昨年夏のように強い干ばつが続きますと、干上がった状態になることが常であります。また、田辺市の場合、森林の宅地開発や、また奥地の山間地においても梅の植栽による開畑が進み、近年は、森林の減少が顕著でありまして、こうしたことから保水能力の低下が懸念されているところであります。こうした状況ではありますが、市におきましては、会津川水系の最も重要な水源として、秋津川、伏莵野地区の奥地森林と高尾山、三星山周辺の約2,000ヘクタールの森林を、水源涵養保安林と土砂流出防備保安林に指定し、これらの指定地域では、開発を禁止し、伐採も制限するとともに、さらに保安林機能の強化のため、保安林改良事業、また人工林の伐採跡は保水力の高い天然林への育成事業や治山事業の実施により、林地の保護と森林資源の育成に努めて参ったところでございます。  今後とも、これらの保安林指定地域とその周辺の森林については、森林所有者のご理解とご協力を得ながら、森林の水源涵養などの公益的機能の維持増進を図るため、適正な森林の整備と林地の保護の推進に努め、会津川の保水能力の維持向上を図りたいと考えております。議員より、水源涵養保安林を市有林として保有してはどうか、また十津川龍神市有林と交換してはどうかということでありますが、市有林は、過去四十年の間、手入れをしてようやく保育作業が完了するところでありますし、交換ということになると、条件的にいろいろ難しい問題がありますので、将来の研究課題とさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  二点目の梅の加工時における農家の梅酢についてでありますが、市内の農家が生産する梅酢の総量は、推定で約2,800トンと予想されてございます。このうち紀南農協で梅酢の商品として販売されているのは、700トンでありまして、そのほかにも市内の加工業者や四国のしその産地、それから食品会社などの県外に出荷されております。梅酢の処理については、梅産業にとって重要な課題となってきておりますが、さらに新しい用途開発など、再利用して商品化することを推進するとともに、農協加工関係業界とも協力して、排水処理の技術、施設等について研究をしていきたいと考えております。
     以上でございます。            (農林水産部長 田中秀章君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    経済部長、室井修一君。             (経済部長 室井修一君 登壇) ○経済部長(室井修一君)    環境対策についての分で、全般的には市民部長が答弁されましたし、それから具体的な質問の中で、産業排水、とりわけ梅加工業についてお答えをいたしたいと思います。現在、田辺市の梅加工業者は、紀州田辺梅干協同組合に32社加入されておりまして、ちなみに組合に加入していない業者も約30社程度あると思われます。このうち産業排水については、一日50トン以上排水する規模の大きな事業所につきましては、排出基準が定められておりますので、処理施設を設置し、適正に処理されていますし、それ以下の事業所についても処理施設を設置しているところもございます。また、調味液につきましては、加工業者はコストの削減のため、濃度、成分等の補正処理を行うなど、効率的に活用されておりまして、排出される数量はごく少量でございます。これについても、大手業者は、自己の処理施設で浄化処理されております。梅加工業界といたしましても、平成4年度に実施いたしました、梅加工業振興ビジョンの中で、業界の課題として、排水処理問題を検討しておりまして、現在もリサイクルを中心として、他社との協力、処理設備のシステム等について研究しているところでございます。  また、製造業を中心とする第二次産業界と河川の汚濁との関係についてでありますが、河川の汚濁については、複合汚濁でありまして、産業水や家庭雑排水をはじめ、幾つかの要因がございますので、一概には申し上げられませんが、近年、会津川水域の水質が横ばいから、やや良質化している現状から、市民の意識を中心として、企業の法的、社会的責任についても認識が高まっているものと考えられます。しかし、市といたしましては、法的規制には当てはまらないものの、社会的責任が問われる一部の事業所についても認識を深めていただくため、今後も組合や農協、田辺保健所等関係機関と連携をとりながら、十分指導していきたいと考えております。同時に、施設の新設につきましても、市といたしましては、田辺市中小企業公害防止施設整備資金利子補給制度を利用していただきまして、今後も施設の設置を促進して参りたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。             (経済部長 室井修一君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    9番、松本定市君。              (9番 松本定市君 登壇) ○9番(松本定市君)    ただいま、ご答弁をいただきました。私、90分ということで申し上げておりまして、できれば90分以内に終われんもんかと考えておったんですが、時間が大分迫っておりますので、細ごまとは申しません。そして、再質問はございません。ただ、要望ということと、提言と言いますか、その辺で、今回は申し上げて、また次の質問の機会に回りたいと思います。  市長からご答弁いただきました、西口県政にかかわる受皿の問題とかいう点で、これは市長のおっしゃるとおり、住民と行政の主体性、自主性が何よりも必要であろうと。まさにこれは同感でございます。そういうことの中で、今、私は細ごまと、まだ幾つかこれについての提言も考えておったんですが、もう最終的に、これはひとつは知事の選挙公約ということでとらまえをしまして、やはりストライクゾーンは広いだろうということでございます。これもわかるわけなんですが、私はいちばん感じることは、いわゆる幾ら広くストライクゾーンがあっても、いいことをおっしゃっているわけなんです。そのいいことを田辺市がどう受け止めていくか。いわゆる県から投げられてくるボールを、ただキャッチングするだけじゃなくて、それをいかに投げ返していくか、いわゆる具体案の方法が、僕はこのひとつの受皿ということにつながっていくんじゃなかろうかということでございます。  とくに、私は山間地の生まれでございまして、市長のご答弁いただきました、中山間の三線の道路について真剣にお考えになられ、これは是非ともやっていかないかん、急ぐべき問題であると、お答えいただいたことに、大変私は、この質問の成果があったように思います。どうぞ、そうした思い切ったひとつ具体案を出して、頑張っていただきたい。そして、きのう初山議員の質問にもありましたように、いわゆる上万呂北新町線などというものは、私がしょっちゅう申し上げてきました、田辺温川線、これなんかはいわゆる中辺路、あるいは龍神、上富田、そうしたとことの連携道路でございまして、大変な重要路線に変わっていくだろう、そういうことの中で、ひとつ一気には参りませんけれども、できるだけ県道というものは、県との整合性の上に立って、お互いに予算的な話し合いを重ねていただきたいなと、かように思います。  そして、もう少しまだ時間が15分ばかりありますので、私は今回、一つは声を大にして申し上げたかったことでございます。環境問題でございますが、みなさんのお手元に参考資料として出させていただきました、けさの読売新聞の四万十川の清流保全「1万4,600円の増税OK」と言われることは、都会の人もいわゆる環境というものに対して興味を持たれ、ひとつ協力をしてやろうじゃないかというお考えが出てきているという事実、それからここに書かれておりますように、「森林は、生命維持装置だ」という、この学説と言いますか、意見というものをひとつ十分認識をいただきたいなと、かように思うわけです。私は、提言をいたしたいことは、議員となりまして、いちばん最初の質問が、この環境問題であったことを記憶しております。そのときに、長ながと40分にわたり大変みなさんご迷惑なさったんじゃなかろうかというぐらいの話を申し上げた記憶があるんですが、再度申したいことは、私は、市有林の活用次第で、会津川が生まれ変わるんじゃなかろうかという予測をするからであります。ブナやナラなどの広葉樹は、スギなどの針葉樹に比べて、20倍の保水力を持つ。そしてまた、「直径20センチメートルのブナの木一本のいわゆる保水力というものは、800戸の家庭の水を潤す」とも言われておるわけでございます。  そういうことの中で、戦後における森林開発というものは、ほとんど広葉樹林から針葉樹に切り替えて植えられていった。しかし、今現在において、木材の不景気、そういうことの中で、今、放置状態にある。そういうものが今の現況であって、私は、このいわゆる「田辺の顔」とも言うべき会津川が、すばらしい自然の代表でよみがえらせたい、そういうためには、大変奇抜な提言かと思われますが、田辺市の財産的保有する森林十津川山林、それからいわゆる龍神の山林は、今ここで処分をするとかいうことになると、大変なリスクを負うことになろうと思います。しかしながら、長期的にこれを考えていきますと、田辺市の上水道をはじめ、また川のいわゆる財産と言いますか魚類、子どもとまたわれわれ大人も交じって、川と親しめる、そういう川に生まれ変わるんじゃなかろうかということを根本的に考えまして、思い切った政策も、これも一つの行政の一環じゃなかろうかということを申し上げたわけでございます。確かにきつい質問になろうかと思うんですが、私は、この自然というものがよみがえるときに、初めて美しいまち、いわゆるそれを守る人の心というものが、そこに評価をされる、そういうことをひとつ根底にお考えをいただきたいなと、かように思うわけでございます。  それから、三四六の件でございますが、今、部長からお答えいただきましたが、当分、これは田辺市の生活環境課ということの状態の中で連携をとりながらやっていけると、こうおっしゃいましたが、私、でき得れば、今先駆けて田辺市が環境部というものの司令塔をつくって、いわゆるどの部局にもこの環境という名がつきます。そうしたところの中で調整を図る、「われわれのポジションじゃない」と言われることのないような調整役、これは縦割行政からひとつの円滑な行政への、私は橋渡しができるんじゃないかと、そういうことを考えまして、何とぞこれはひとつそのうちの機構改革の中で、改めたるご検討がいずれ何年か先でも結構でございますが、一日も早くそういう部制がしかれることを期待するわけでございます。  それから、ゴミのことでございますが、これは私は、もう再質問はいたしません。いたしませんが、いわゆる上地所長と現場において、いろいろと案内をしていただき、説明を受けた中で、焼却炉の延命策としては、24時間ぶっ続けの操業が望ましいと、そういうことをお考えになられておられました。私は、そうなると三部交代制も必要になってくるだろう。だからそれも場合によっては、田辺の排出されるゴミのいわゆる最良策につながることもあり得るかなということを考えました。そのために、ひとつでき得れば、広域との連携を持ちながら、今、一日60トンから80トンのゴミを焼却している。そして、ときには休むということの中で、100トンの処理能力を持っている焼却炉を、活用次第によっては、私はかなりのメリットを生む方策もあるんじゃなかろうかと。それは広域的に考えまして、ゴミに困っている、例えばです、これは間違えばひとつお許しをいただきたいんですが、南部川とかそういうところにまた、いろんな焼却場をつくるとかいうふうなお話も聞いたような気がしますので、そうした莫大な費用を、この田辺の地方拠点圏内にある町との連携をとりながら、「ギブ・アンド・テイク方式のゴミは引き受けましょう。だけどもこれから出された最終処理の埋立ては、あなた方で一部持ってください。それを用意できないか」というふうな話し合いも、また今後、生まれるべきではなかろうかということを私、考えるわけでございます。これらも併せて提言として申し上げ、私は、田辺市のさらなる発展のために、やはり田辺市から県への連携プレーを密にし、また付近町村とのお互いのいわゆる協力体制というものを強化されますよう希望いたしまして、要望といたしまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。              (9番 松本定市君 降壇) ○議長(熊野芳和君)    以上で、9番、松本定市君の一般質問は終了いたしました。 この場合、お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明3月16日から17日までの2日間は休会とし、3月18日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(熊野芳和君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。 延 会 ○議長(熊野芳和君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。  どうもご苦労さまでした。               (午後 3時51分)...